1.構造的な安心感

私たちは木造住宅を得意としています。上棟時に木が組み上がっていく様はいつ見ても爽快です。木は自然素材ですのでその一本一本の強さが計りしれず、それが木造の学術的な構造的な裏付けの足かせになってきた事は否めません。それもそのはず木の一本一本は育つ場所が違いますので強さが違う事も致し方ないのです。その結果、強度の安定性と言う所では集成材の方が勝っているとも考えられていました。

きちんと育てきちんと評価できる地元の木

 

そこで登場するのが地元田辺市の㈱山長商店。高い乾燥技術と全量検査をいかしてJAS認定品の木材を提供してくれます。JASとは日本農林規格。つまり公的に認められている木材である事をさします。このJASマークがある事で構造計算時にはその一本一本の強さに基づいた計算、設計が可能なのです。強いとされている紀州材でもJAS製品でなければ無等級扱いとなり、その強さを評価する事は出来ないのです。また前述のごとく全量検査を行っている為、柱、梁その一本一本に産地、JASマーク、樹種、含水率、ヤング係数(曲げ性能等級)などが印字されています。地元和歌山で育ち、強度、品質安定性ともに申し分ない紀州材を使わない訳にはいかないでしょう。山の健全を保つためにもきちんと計画された伐採が必要になります。家に紀州材を用いる事で紀州の山も守る事が出来るのです。

山長商店のもつ山々

 

学術的根拠に基づく計算

 

そうした素材の良さを生かすためには知識やツールが必要です。専用のCADソフトを用いて壁の強さや配置、床や屋根の強さ、接合部の強さを吟味しながら、耐震等級3の建物を目指してプラン作成時から検証しています。

また重要なのが床のたわみ。梁と言われる床を支える木材のサイズが小さかったり、重さ(荷重)がかかり過ぎるような組み方をした時に床はたわんでしまします。テレビ番組などでビー玉が転がったりするあの現象も床のたわみが原因です。

そうならないように木の組み方を工夫したり、スパン表を活用して梁のサイズを決めていったりします。スパン表とはあらかじめ設定した荷重条件にしたがって計算を行い木材のサイズ(断面寸法)を決めたものとなります。使用する木材の強さや屋根を支える木なのか床を支える木なのか(部材)、屋根の重さや支える柱の間隔(スパン長さ)などの条件に照らし合わせることにより木材の断面寸法を求める事が出来ますこれらスパン表にはたわみ制限値が決められています。これは部材などの構造計算を行う時の構造基準です。重さが加わった時に、材料がたわむ量をどの程度にするかの基準が設けられています。建築基準法レベルではたわみ制限値はL/250または20mm以下、新グレー本(2008年に出された木造の構造計算の根拠となる本、正式名称は木造軸組構法住宅の許容応力度計算)レベルではL/300または20mm以下  となります。新グレー本レベルの方が厳しくなっており、このなかでL/300とは長さに対するたわみの量をさしています。例えば8帖の部屋が約4メートルとなりますので、真ん中で12mm下がっていても構造的には問題がないとされます。

しかし構造的に問題がないのと、普段の生活での違和感は別問題です。スパン表では足りないのはそこがです。条件を設定出来ないため、実際に自分たちの建てる家の目指す性能を明確にはできないのです。それを解決するために登場するのがCADソフトを用いた構造計算。たわみ制限値やたわみ量などを自分で設定する事が出来るのです。L/500やL/800などとしたり、たわみ量を10mmや5mmなどとして部材の大きさを決めていきます。こちらがそのソフト、性能表示の耐震等級を検討したり、3Dパースを作成したりと私たち木造住宅の設計には欠かせない大切なツールとなってます。そういった計算も㈱山長商店の構造材は全量検査でヤング係数を明示した木材だから可能なのです。

 

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