軒天の仕上げ方 木(杉羽目板 本実加工)とケイカル板

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。

外観の印象を決めるもの 佇まいや外壁材や屋根材と、いくつかありますが軒天も大切な要素のひとつです。今回のテーマは『軒天』です!  あっあと植栽もすごく大事(笑)

今回の記事は過去の記事を加筆修筆したものです。2019/6/7

落葉樹が芽吹いてきました
落葉樹が芽吹いてきました

軒天(のきてん)とは

軒裏(のきうら)とも呼ばれます。地上から屋根の裏側を見上げた部分をさします。タルキを見せる仕上げとタルキを隠しす仕上げがあります。仕上げ方や、使う材料で印象が随分と変わってくるのできちんとした検討が大切です。あと、コストも(汗)

杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天
杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天

仕上げ方 タルキを見せるか見せないか

タルキをいうのは、屋根をささえる部材となります。先程の画像のお家はタルキを隠した仕上げ、下の画像はタルキを見せる仕上げ方です。与える印象は随分と変わってきます。タルキを見せる方が和風の色合いが強くなってきます。また、タルキを見せる仕上げ方の場合は屋根の通気のとり方に工夫が必要となってきます。ちなみにこの場合、板は相しゃくり加工となります。

軒桁を用いた本格的な和風のテイストです
軒桁を用いた本格的な和風のテイストです

仕上げ材の種類 ケイカル板と木

隠す場合も今回の画像のように木を使用する場合と『けいさんカルシウム板』通称ケイカル板を使用する場合とがあります。準防火や防火の指定を受けていると木は使えないですが、そんな時はケイカル板の出番となります。ちなみに田辺市やその近郊市町村の場合は木は使用することができます。

ケイカル板の特徴

ケイカル板のメリットは防火性が高い事とコストパフォーマンスに優れている所です。しかし、木の美しさも捨てがたい。悩ましいところです。下の画像は白いそとん壁に白く塗装したケイカル板の外観です。すっきりとした好きな組み合わせの一つです。そとん壁についてはリンクをご覧ください。詳しく書いた記事となります。

そとん壁

軒天にケイカル板を張ったお家 スッキリとした印象です
軒天にケイカル板を張ったお家 スッキリとした印象です

施工事例 タタミリビングの家

タルキを隠して木と使う場合 通称 羽目板とは

天井(今回の場合は軒天)や壁の板張りに使われる板のことの総称です。板と板の接合方法には、本実(ほんざね)雇い実(やといざね)相しゃくり などがあります。今回の画像のお家は板を留めつける釘が見えない本実(ほんざね)加工を施した板を使ってます。

本実加工は 凸凹してます。

本実加工とは下の画像の様に、板をくっつける時に板同士がかみ合う様に、板のそばに凸凹の加工がしてあるものです。床板にも、同じ加工がされているのが一般的です。

本実加工 凸凹をほどこした羽目板
本実加工 凸凹をほどこした羽目板
本実加工 凸凹がくっつくいた状態
本実加工 凸凹がくっつくいた状態

本実加工を行うと凸の部分に釘を留めつけてから、凹の部分を差し込んでいくので、留めつけた釘が見えなくなるのが特徴です。羽目板だけのすっきりとした雰囲気となります。

凸の部分に施工された釘の画像
凸の部分に施工された釘

木の等級の確認しよう

画像の軒天化粧板は杉上小節材、小さい節が入ってる等級になります。がしかし、実際はほとんど無地(節がないもの)も含まれてます。ですので納品した木を一度梱包をといて検品し、節のあるもの、節がないもの、色の具合などを仕分けして、いくつかのクラスに分けてます。
その中でとくに目の付く場所の軒天のにはきれいなものを使います。無垢の木を使う場合はこのひと手間が大切となります。

ちらっとみえるのが小さい節。上子節という等級です。

まとめ

一言に軒天といっても色々な仕上げ方があります。まずは屋根の通気をきちんと確保したうえで、どのような仕上げ方が良いか検討してはいかがでしょう? 軒天は意外と目に入るのでご自身のお好みをきちんと反映させたものをお薦めします。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

吹き抜けのある家

家族構成  ご夫婦、子供2人                地域    田辺市
構造規模  木造在来軸組2階建て
敷地面積  186.49㎡(56.51坪)
延床面積  120.07㎡(36.38坪)
1階床面積 63.76㎡(19.32坪)
2階床面積 56.31㎡(17.06坪)

閑静な住宅街にあるお家。しかし、日射条件は厳しく西側以外は隣家が迫っていて、日当りはあまり望めない敷地でした。そこで、吹き抜けとハイサイドライトをつくり、太陽光を取り入れました。朝から昼、夕方と太陽の動きに呼応する吹き抜けを通しての光の移り変わりが美しいです。そこに動線のたまりをつくり、家族が集まるリビングをしつらえました。何度も敷地に足を運び、心地よい所はどこだろうと模索した結果のプラン。住まい手から『この敷地にはこの方法がやはり一番だったんですね!』の言葉が嬉しくこだましました。

<主な仕上げ>
構造材   紀州材
造作材   紀州材
床材    杉材上小材 15mm  杉一等材 15mm
屋根    ガルバニューム鋼板
外壁    そとん壁かき落としの上櫛引き仕上げ
内壁・天井 エコクロス張り

照明計画 ダウンライトで失敗しない

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。お家を計画してプランが固まりますと次に悩まなくてはいけないのが照明計画。同じ空間でも照明計画の差で空間の質、居心地の良さが随分と変わってきますので、失敗しないためには十分な検討が必要です。そんな照明計画の注意点をまとめてみました。

今回の記事は過去のものを加筆修筆したものです。

照明計画とは

照明計画とは部屋のどの位置にどんな高さで、どんな種類の照明器具を配置していくか?というものです。天井に直接つけるシーリングライトや天井に埋め込むダウンライト、壁につけるブラケットや天井からつりさげるペンダントライト 以上が主な種類でそれらを部屋の雰囲気や用途考えながら配置していきます。

シーリングライトが中心の今までの照明計画

これまではシーリングライトを部屋の大きさにあう明るさを得られるモノを天井の真ん中にドンと取り付ける!っていうのが多かったと思われます。それまでの住まいがこの様な照明計画だったりするので、イメージしやすいので『部屋が暗すぎくならないか?』なんて心配は余りありません。しかし、このやり方は当工務店では行ってません。灯りのメリハリも得られませんし、大きな器具がデンと存在感を表す事で空間のスッキリ感や質も随分と損なわれてしまいます。部屋に一つシーリングライトと言う照明計画はある意味 作り手の思考停止状態とも言えます。

ダウンライトで失敗しない 付け過ぎない様に!

ダウンライトは器具自体が天井に埋め込まれているので、空間のスッキリ感を得る事が出来ます。ここでの注意点は明るさを求め過ぎて、ここにも、ここにも必要って具合に計画していく事です。気付けば天井にお星様の如くたくさんのダウンライトが光っている なんて事にならない様にしないといけません。それからエアコンの位置にも気を配らないといけません。ダウンライトでドラマチックにエアコンを照らす!なんて事にもならない様に要注意です。また、部屋の真ん中にシーリングライト一つに四隅にダウンライトという照明計画を見直すだけで雰囲気が変わってきます。

ペンダントとブラケット 少し暗いぐらいが丁度良い

こちらの二つの照明器具は天井面に付かないので灯りの重心が下がり落ち着いた雰囲気を出してくれます。ダウンライトはどうしても天井面に取り付くので重心が高くなってしまいますので、ダウンライトだけの照明計画よりペンダントやブラケットを使った照明計画はガラリと落ち着いた雰囲気は変わります。ただ、暗くなり過ぎないかという心配が頭をよぎります。これまでの日本の住宅はその心配が強くて結果的に明る過ぎるものが多かったと思います。実は夜は屋外が暗いのでそれはど気になりません。夕方の時間帯の屋外がまた明るい時に少し暗さを感じる事があるかもしれませんが、少し暗いかな なんて感じる照明計画で丁度良いのではと考えてます。

ペンダントとブラケットの照明計画

 

ペンダントの高さはダイニングテーブルより70㎝程度
ペンダントの高さはダイニングテーブルより70㎝程度
灯りを家具のように スタンドライトが中心の照明計画

本を読んだり作業する手もとを照らすのに、前述のブラケットやダウンライトを配置する方法もあります。タスク・アンビエント照明という考え方です。『必要な所に必要なだけ灯りを』です。

このような使い方にはスタンドライトなどもよいです。あかりの重心も下がるので落ち着いた空間となります。また、明るさが足りなかったら後から灯りを足す、という事が可能なのもスタンドライトの魅力です。

一歩踏み込んで、スタンドライトをメイン照明の一つとして照明計画を考えていくと、空間の豊かさが増すように感じます。そうなるとスタンドライト用のコンセントを配置も吟味したいところです。そのコンセントとスイッチを連動させるとスイッチで灯したり、消したりも可能です。

スタンドライトが中心の照明計画
スタンドライトが中心の照明計画
照明メーカーの『あかりプラン』を利用してみよう

各照明メーカーさんは無料で照明計画プランを作成してくれるので、それを利用するのも手法です。『シーリングライトを付けたくない』なんて要望も聞いてくれます。ホームページなどからネットで依頼出来るので敷居も低いです。こちらの注意点は工事の進み具合です。電気屋さんの配線計画が終わっている場合は付けたい位置に付けられない事が起こるので、その前に依頼し照明計画を決定しておく事です。

先人達のお言葉

建築家吉村順三氏は『欲しいのは光であって、照明器具ではない』とおっしゃり、また同じく建築家の宮脇檀氏はその著書のなかで『昼間は邪魔な照明器具』と書かれ、敬愛する建築家の伊礼智氏は設計が上達するコツのひとつに『天井に照明をつけない』とおっしゃっておられます。思考停止にならず、暮らしと灯りについてきちんと考えなければなりません。

まとめ

明る過ぎない照明計画。これも落ち着いた空間を創る大切な要素の一つです。ついつい不安に駆られ失敗しないようにと明る過ぎになりがちですが、ここは、グッとこらえてみてはいかがでしょう。よりよい空間が出来るのでは!?

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

そとん壁汚れのお手入れとメンテナンス性

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。今回は当工務店でよく用いる外壁材、『そとん壁』のメンテナンス、お手入れがお題です。

今回の記事は過去のものを加筆修正したものです。

そとん壁の特徴と汚れ

外壁はお家の中でも常に風雨にさらされる所。やはりそのメンテナンス性を気にされる方も多く、ご質問頂く事も多々あります。
そとん壁については以前書きました記事がありますので詳しくはこちらをどうぞ↓

『そとん壁 メリット デメリット 風合と質感のある手作りの素材を職人の手仕事で仕上げる』

そとん壁自体が無機質で出来ているため、もともと劣化やカビの繁殖は抑制されます。基本的にはカビが繁殖する事はなく、また前述のごとく無機質なので静電気等による汚れの吸着現象も発生しません。有機質系でよく使われている樹脂はそれ自体がカビの栄養となってしまうので、その点がまず大きく違ってきます。

しかし、そとん壁には防カビ剤などの化学物質が入っていないため、外から飛んでくる有機質分(ほこりなど)が壁の凸凹部分に付きそれがたまり、カビたり青藻する事はあります。
以上高千穂そとん壁H.Pより要約

ですので、雨水などがよく当たり、あまり日や風が当たらない面には汚れ(黒カビ)などが出る事もあります(涙)↓この様な感じです

そとん壁の汚れ
そとん壁の黒カビ汚れ

この画像のお家は建てて頂いてもうすぐ7年になります。他の所は綺麗なのですが、こちらの面が条件が揃ってしまったようで黒カビが出てしまってます。

がしかし、その汚れも結構簡単に取る事ができます。まずは汚れをとったそとん壁をご覧ください。↓
なんと言う事でしょう~見事にきれいなっているでしょう?

よごれが取れたそとん壁
よごれが取れたそとん壁

そとん壁 黒カビ汚れのメンテナンス方法

実は手順はいたって簡単!黒カビなどの場合はまず、キッチンハイタ―の原液を気になる部分にかけます。そしてしばらく、20分ぐらいそのままにしておきます。こんな感じです!

そとん壁にキッチンハイターを
そとん壁にキッチンハイターを

そしてその後は、水約8リットルに対して中性洗剤2,3滴を垂らしたものを作って、歯ブラシや亀の子タワシなどでこすっていきます。あんまり神経質にこすらない方がいいようですね。

水洗いをしているそとん壁
水洗いをしているそとん壁

そしてその後は水で十分に洗い流すと出来上がり、キッチンハイタ―の待ち時間も入れて30分ほどの作業でした。

雨だれ程度の汚れならキッチンハイタ―の工程は省略してもかまいませんのでご参考にどうぞ!

キッチンの排気口周りのお掃除

キッチンの排気口(ベントキャップ)周りはどうしても汚れがちです。そこで今回は5年半前にお引き渡しいたしましたお家でお掃除実験!?を行ってみました。

掃除前がこちら ベントキャップからどのように排気されているかが分かるぐらいに、黒くそとん壁が汚れてします。

DSC_0033

黒カビ汚れと同じように水約8リットルに対して中性洗剤2,3滴を垂らしたものを作って、歯ブラシや亀の子タワシなどでこする方法で掃除してみました。あんまりしつこくこすらない様になでる様に軽くで挑戦です。洗った後は水で十分にすすぎを行います。

で、掃除が終わり乾いたのがこちら↓
まだ少し残ってますが、5年半の汚れが随分と取れてくれました!
もう一回同じ様にすれば随分とよくなりそう~

DSC_0066

まとめ

皆さんやはり日々のお手入れは気になるようですね。きちんとした材料を使い、きちんとメンテナンス(お掃除)を行えば長持ちしてくれるものです。それは外壁だけではなくて床板などにも通ずるものがあります。メンテナンスフリーを掲げる新建材のフローリングや窯業系サイディングの誘惑!?に惑わされる事なく本物の材料を使って家を建てて、きちんとメンテナンスして頂ければ、その材料、素材は美しく変化していってくれます。それは新築時では得られない時を経た美しさ、お金では買えないものなんだと常々考えてます。
メンテナンスの基本はお掃除、肩肘をはらずお気楽にお家と付き合うってみましょう~