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上棟後、木は濡れても大丈夫!?乾燥材と新築工事と雨養生

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和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます

谷中幹工務店の谷中伸哉です。

先日棟上げ(上棟)したお家の屋根の下地工事が完了しました。

雨対策で外周もぐるりとブルーシートで囲う事が出来て、ここまで来ると一安心です!

今回は久しぶりの日本瓦葺き、そのため屋根の下地工事に手間がかかりますので、

いつもより増して天気予報と睨めっこでした(笑)

このように新築工事は屋外でするため天気の影響をもろに受けます。

今日はその辺りをテーマにしたいと思います。

木は濡れても大丈夫!?

新築工事中、上棟後でまだ外壁や屋根が出来ていない状態では

雨で木材が濡れる恐れがあります。

在来工法では、上棟が終わると次に屋根工事にかかりますので

濡れてしまうリスクは多少軽減できますが、

壁が囲われていない状態では、濡れてしまう事に変わりはないです。

木は濡れてしまっても大丈夫でしょうか?

木材に含まれる水分

最近は木材に乾燥材が使われる事がほとんどです。

木材に含まれる水分には『自由水』と『結合水』があります。

その違いは木材の細胞の中にある水分かどうかです。

『自由水』は細胞の外、『結合水』は細胞の内にある水分となります。

それでは、木が乾燥していく過程で水分はどのように乾いていくのでしょうか?

結合水まで蒸発した乾燥材の特質

木材を乾燥させるとまず『自由水』から蒸発してなくなっていき

『自由水』が無くなった木材の含水率

(木材の含む水分量を木材そのものの重さをもとにした比を百分率で表した数値)

は30%程となります。

その後さらに乾燥が進むと『結合水』が蒸発していきますが

結合の名の通りしっかりと木材と結合された水分なので

きちんと蒸発させるのには骨が折れます。

しかし、その分、細胞内の『結合水』が蒸発すると再び

水分が細胞の中に入るのは、煮沸などをしない限り困難となります。

『結合水』まで抜けた時の含水率は15~20%となります。

木材の含水率の目安としては20%。ここまで乾燥していれば

木の狂いもだいぶ緩和されてますし、

雨に濡れることに対しても、ある程度のアドバンテージがあるといえます。

詳しくはこちら↓

乾燥材 結合水と自由水

 

木は“少々”濡れても大丈夫

少々濡れても大丈夫!?これはどういったことでしょう。

実は『結合水』まで蒸発した木材の特質

(細胞内の『結合水』が蒸発すると再び水分が細胞の中に入るのは、煮沸などをしない限り困難)

から少々の雨でただちに悪影響が出る事はないです。

表面が濡れてしまっても木材の内部まで入り込む恐れがないからです。

そういった意味からもきちんとした乾燥材を使う必要があります。

しかし、長雨にさらされるとカビなどが生えてしまう事も考えられるので楽観は出来ません。

濡らしてもきちんと乾かす事も大切です。

しっかりと雨養生

新築工事などの現場は私たちにとっては我が子の様なもの。

これに共感してくれるつくり手は多いと思います。

上棟後の、木は濡れてしまってもは大丈夫とは

知識としては持っていても少しでも濡らしたくないと思うのが心情。

工程や急な雨で叶わない事がでてしますかもしれませんが、

いつも天気予報とにらめっこしながら、

いかに濡らさないと苦心しているのです。

この仕事をしていると天気予報と

雨雲レーダーのヘビーユ―ダーとなります(笑)

最後まで読んで頂いてありがとうございます!

しっかりと雨養生が行えた現場

しっかりと雨養生が行えた現場

補足 合板こそ濡らさないように!

最近の新築住宅では床の下地には24㎜や28㎜の厚い合板が使われています。

これは床の下地だけはなく、2階の床などでは耐震性を担保するのに非常に

重要な役割を担っています。

この合板が濡れたままになってしまうと、強度が落ちてします恐れがあります。

どちらかというと合板の方が注意して取り扱わないといけないのです。

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