4.肌で感じられる素材感
今の世の中、技術などの進歩もあり私たちの周りには一見すると
本物とみまがう色んなものが溢れるてあります。
だからこそ、日常の生活の中ではに本物に触れたいものです。
構造材 きちんと育てられた、きちんと評価できる地元の木で建てる
私たちは木造住宅を得意としています。
上棟時に木が組み上がっていく様はいつ見ても爽快です。
木は自然素材ですのでその一本一本の強さが計りしれず、
それが木造の学術的な構造的な裏付けの足かせになってきた事は否めません。
それもそのはず木の一本一本は育つ場所が違いますので強さが違う事も
致し方ないのです。
その結果、強度の安定性と言う所では集成材の方が勝っているとも考えられていました。
そこで登場するのが地元田辺市の㈱山長商店。
高い乾燥技術と全量検査をいかしてJAS認定品の木材を提供してくれます。JASとは日本農林規格。つまり公的に認められている木材である事をさします。強いとされている紀州材でもJAS製品でなければ無等級扱いとなり、その強さを評価する事は出来ません。しかし、前述のごとく㈱山長商店の木は全量検査を行っている為、柱、梁その一本一本に産地、JASマーク、樹種、含水率、ヤング係数(曲げ性能等級)などが印字されています。一本一本の強さ(ヤング係数)の分かる木材。その強さが分かればそれに基づいた構造計算(許応力度計算)が可能となるのです。地元和歌山で育ち、強度、品質安定性ともに申し分ない紀州材、その紀州材を使わない訳にはいかないでしょう。山の健全を保つためにもきちんと計画された伐採が必要になります。そして家に紀州材を用いる事で山にお金も還流することも出来きます。また次の世代に紀州の山を渡す事が出来るのです。
新建材と自然素材 生活に経年美化を
今、住まいに使われている素材は大きく分けて二つ、新建材と自然素材です。
新建材 表面などに特殊シートなどを張ったモノでクレームが出にくいなどのつくり手側の事情もあったのでしょう、一般的にはよく見かける仕上げ材。最初はきれいですが、その美しさは時がたつと劣化していってしまいます。
自然素材 住まい手、つくり手共にとの特色を分かってあげないといけないですが、その美しさは時が経つほどに味わい深く変化していってくれます。最初だけではなく時を経ないと得られない美しさも持つ、それはアンティークのイメージです。
新建材は言葉が悪いですが、あくまでもイミテーションです。本物が持つ素材感や肌触りには遠く及ばないものです。ですが、全ての新建材を否定するつもりはなく、表面がシートではなく本物の木であるベニア(薄くはいだ木で表面を仕上げている)などは適材適所で使っていきます。
床板は無垢材に
床は実は住まいの中で人が一番触れ合うところです。そういったところにこそ、無垢材を使って頂きたいです。たしかにキズがつくこともあるでしょうけど、けっこう直せたりするもの無垢材の良さ。それも家族の歴史とそのままにしておくのも良いかもしれません。
外壁材には窯業系サイディングを使いません
すこし過激かもしれませんが、日本の街並みをつまらなくさせている一番の要因だと考えてます。定期的にメンテナンスも必要ですし、どちらかというとこれもつくり手側のおもわくで普及してきたものです。左官壁、板壁、ガルバニューム鋼板、そういったメンテナンスに手があまり掛らないものが外装材には向いていると考えてます。
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