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熱抵抗値を計算してみよう!断熱材の性能をきちんと理解する大切な数値

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和歌山県田辺市の工務店、谷中幹工務店です。

きちんとした高断熱高気密住宅を設計、施工するためにはいくつかの大切な要素があります。

その中でも基本中の基本、断熱材の性能をきちんと理解するために大切な熱抵抗値を解説していきます。

熱抵抗値ってなんだろう? その前に熱伝導率

水が高いところから低いところに流れるように、熱も高いところから低いところに熱が伝わるように

なっています。

この熱の動きを『熱伝導』と呼びます。

高いところから低いところへ、これは物理の定理のようなもので、それに抗うことは出来ません。

水の場合は急峻な川は流れが早く、その逆では穏やかに流れるように、勾配によって流れが

変わってきます。

熱伝導の場合は、そのモノによって熱の伝わる早さが変わってきます。

鉄は熱を伝えやすく、木は伝えにくいといった具合です。

伝えやすさ、伝えにくさを表すのが

『熱伝導率』 λ(ラムダ)単位:W/m・K

その数値が 鉄は45 木は0.12 数字が少ない方が熱が伝えにくくなります。

繊維系断熱材と板状断熱の熱伝導率を比べてみる!

繊維系断熱材

壁に施工された高性能グラスウール16K 厚み12㎝

断熱材の性能の一つをを表すのものとして

断熱材の種類ごとに『熱伝導率』は記載されています。

充填断熱工法などでよく使われる高性能グラスウール16㎏の場合は

熱伝導率  0.038 

高性能グラスウールとはひと昔前に使われていたグラスウール10Kと言われるモノに

比べて繊維が細かい(繊維の直径8ミクロンに対して4ミクロン)のでより多くの空気室を

作る事ができ、高い断熱性能を発揮できる様になってます。

実は空気は閉じ込める事によって熱を伝えにくいという特性を持っています。

これを利用してたくさんの閉じ込めた空気(空気室)をつくるというのが断熱材の考え方です。

身近なところでは布団が断熱材です。布団の中は暖かいですね。これは布団自体が暖かいのではなく

人から出る熱によってなのです。布団が部屋の気温の影響を受けにくい断熱材の役割をしているから

こそ布団が熱を閉じ込めて暖かいのです。

そのほかには セルロースファイバー 0.040  ロックウール 0.038 などが代表的です。

板状断熱材

基礎断熱の様子。カネライトフォーム 厚み10㎝ 5㎝

基礎断熱や外張り断熱工法などで使われる板状の断熱材です。

ネオマフォーム カネライトフォーム スタイロフォーム フェノバボード

各メーカーさんいろんな特色をもって展開しています。

充填断熱工法でも この工法ではお風呂の床は断熱、気密をとるのが

難しいため、この部分のみ床断熱ではなく基礎断熱となるので、

実はどのお家でも採用されているかもしれません。

熱伝導率は0.019~0.024

熱伝導率は板状断熱材が優秀ということになります。

断熱材の性能は 熱伝導率と厚みが大切

それでは熱伝導率の高い板状断熱材が断熱材として性能が

高いか!?いうと一筋縄ではいきません。

もうひとつ大切な要素、厚みがあります。

同じ断熱材同士なら単純に厚みの厚いほうが性能が

高いと分かりますが、違う断熱材ならどうでしょう?

そこで登場するのが熱抵抗値

熱抵抗値を求めることによって 厚みを含めた断熱材として

どちらが優秀か比較することが出来るのです。

熱抵抗値=断熱材の厚み(m)÷熱伝導率

『熱抵抗値』 R 単位:㎡k/w

熱抵抗値は以下の公式で求められます。

熱抵抗値=断熱材の厚み(m)÷熱伝導率

ここで計算するときに気をつけないといけないことは

厚みの単位がmになっているところです。

厚みが12㎝の断熱材なら 0.12mで計算しないと

いけないです。見落としがちは大切な点です。

繊維系断熱材と板状断熱材を比べてみよう

それでは 繊維系断熱材と板状断熱材の断熱材としての

性能、熱抵抗値を比べてみます。

今回は住宅の壁に断熱材を施工するのをイメージしてみます。

まずは繊維系断熱材。

高性能グラスウール16K(熱伝導率0.038)12㎝角の柱に充填するとして

0.12(m)÷0.038(W/m・K)=3.157894(㎡k/w)

3.15が高性能グラスウール16K 厚み12㎝の 熱抵抗値となります。

次に板状断熱材。

外張り断熱工法などによく用いられる

ネオマフォーム(熱伝導率 0.020)で検討しています。

5㎝のものを外張り断熱工法で施工するとして

0.05(m)÷0.020(W/m・K)=2.500(㎡k/w)

2.50がネオマフォーム 厚み5㎝の 熱抵抗値となります。

ちなみ ネオマフォームがあと1.3㎝厚ければ高性能グラスウール16Kと

同じ熱抵抗値となりました。

違う断熱材の二つ、厚みを与えてあげて比較することで

熱抵抗値がわかり。

断熱材(熱伝導率+厚み)としてどちらが優秀か分かることが

出来ました。

断熱材 もう一つ大切な要素はコスト

ここまで断熱材の性能を比較する熱抵抗値について

ご紹介してきました。

計算式にのっとって色々な断熱材の性能の比較が

出来ることがご理解して頂けたと思います。

しかし、家づくりに欠かせない断熱材を選ぶときに

大切な要素がもう一つあります。

それがコスト!

先ほどご紹介しましたネオマフォームも6㎝のものを

使えば、限りなく高性能グラスウール16K12㎝に

熱抵抗値は近づきますが、(熱抵抗値3.00)

その分コストも増えてきます。

高性能グラスウール16Kはその点コストパフォーマンスが

高いといえますが、丁寧な施工が求められます。

熱抵抗値とコストを施工性これらをテーマに

検討されているハウスメーカーさんや工務店さんと

一歩踏み込んだお話をするのが良いでしょう。

断熱性能は大切な要素ですが、家づくりをするうえで

他にも大切な要素はあります。

全体を見ながら検討される事をおススメします。

 

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