耐力壁のおすすめ 構造用面材と筋かい 耐震性と断熱性と気密性が絡みます
和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを
行っている工務店、谷中幹工務店の谷中伸哉です。
さて、ただいま新築工事をしている現場。雨の合間の縫っての工程で構造用面材、構造用合板の工程までどうにか完了しました。
雨養生をとったり直したりと手間がかかりましたが、この時期は致し方ないです。
さてさて、木造住宅の場合、耐力壁といって地震や台風に耐える壁を作る場合大きく分けて
『構造用面材、構造用合板』と『筋かい』があります。
それでは、どちらがいいのでしょう!?おすすめを考えていきましょう!
先に結論を一覧にしておきます。

耐力壁 構造用面材と筋かいの違い
構造用合板は釘の留め方に注意!
構造用面材の特徴としては、材料としての強さや特徴は個々にありますが、実はそれを留める釘が大切です。
釘の種類や間隔などが、きちんと決められているので、それを守って(当たり前ですが(笑)施工しなくては狙った性能がでません。
さらに気を付けなければいけないのが釘がめり込まないように打ち込むことです。
空気圧を強くすると、すぐめり込んでしまうので、要注意です。
めり込まないようにをきちんとしようと思うと実はひと手間。コンプレッサー(空気圧)を使った
釘打ち機という機械で大工さんは釘を留めていくのですが、すこ~し弱めに設定して釘を打ち込み
仕上げは金づちで打っていくというものです。この手間すごく大切な手間です。
これはどの構造用面材でも同じです。
前述のごとく、面材と釘の強さが合わさって初めて耐力壁としての性能がでるから。
特にモイスの場合は1ミリ未満。要注意!
メーカーさんも注意事項に記載されてます。

構造用面材は「釘の留め方」で性能が決まります
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モイスの釘打ちの注意事項 メーカーH・Pより
『構造用面材』様々の構造用面材がありまして、それぞれメリットデメリットもあります。
モイス、ハイベストウッド、構造用合板などです。そのうちのひとつモイスについて
まとめた記事もありますので、良かったらどうぞよろしくお願いいたします。
モイスのメリット、デメリットは こちら↓
地震に強い だけじゃない 耐力面材モイス ええ奴やけど重いヤツ(笑)
筋かいのデメリット 断熱材の施工がポイント
筋かいについては、昔からある耐力壁で、大工さんも慣れ親しんだ方法です。
筋かいの場合の一番のデメリットは耐震的なものより、断熱材の施工と相性が悪い事です。
断熱材は壁の中にいれるますが、そこに筋かいがあると施工にも注意が必要ですし、筋かいの部分は断熱材を入れる事が出来ません。
木(杉)も断熱性があるものといっても断熱材(高性能グラスウール16K)1/3の性能。
あまり多用してしまうと家全体の断熱性能は落ちてしまいます。筋交いをW(一つの壁に2つの筋かい)で入れるのは、
断熱材の施工的にはNG。きちんと断熱材を充填させるのは難しいです。
そこで、建物の外周部には構造用合板を用いる事をおススメします。耐震性と断熱材の施工性の向上と一石二鳥です。
2025年4月の法改正で、この判断はより効いてきます(2026年8月追記)
2025年(令和7年)4月に建築基準法が改正され、壁量計算の基準が見直されました。これまでの「軽い屋根・重い屋根」という大づかみな区分ではなく、屋根や外壁の仕様、太陽光パネルの有無といった実態に応じて必要な壁量を算定する方式になっています。省エネ化にともなって建物が重くなってきたことへの対応で、同じ間取りでも必要な耐力壁が増えるケースがあります。
必要な壁が増えるということは、筋かいで対応しようとするとそれだけ断熱材の入らない部分が増えるということでもあります。あわせて同じ2025年4月から省エネ基準への適合も義務になりましたので、外周部を面材で固めるという考え方は、以前にも増して理にかなったものになりました。
構造用合板はモイス以外にも色々とあります。どんな面材が良いかは湿度の動きに注意する必要があります。これについては後ほどに。
構造用合板(面材)と気密性の確保は相性がよい
実は構造用合板を建物の外周に用いると、もう一つ、建物の『気密性』の向上を図りやすくなります。
外周部を構造用合板(面材)でくまなく覆うことで気密性をあげてくれるのです。
さらに構造用合板の継ぎ手に一工夫する事で、気密性はより確実に。こちらはPEパッキンという代物。
実際に室内側(壁)に気密シートを施工しなくてもきちんと気密性を確保できます。これについては現場での気密試験で検証済みです。
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PEパッキン
PEパッキンとモイスを施工した現場の画像です。
先にPEパッキンを張って、それにかぶさるようにモイスを施工していきます。
構造用合板を張った上にテープをする方法もありますが、PEパッキンを用いた方が後から
起こるうる地震や木材の収縮にも対応できるのが特に良い点です。
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PEパッキン施工例。黒く見えるのがPEパッキン。
気密、気密測定についての記事です↓
気密測定 気密が重要な2つの理由!
構造用合板と透湿抵抗
構造用面材で気密性を確保する場合は、構造用面材が湿気を逃がしやすいものを選ぶのが大切。
これは建物の耐久性に影響がでてきます。それには、前述のモイスやハイベストウッドなどがおススメです。
湿気を透しやすいので、建物の壁の中の湿気が外壁側の通気層に排出されて壁の中の乾燥状態を保ちやすいです。
構造用合板を用いる時は、室内側の防湿シートを注意深く施工しましょう。
湿度は透りやすいほうに透っていくので、室内側が一番透りにくいものにするのがポイントです。
そうすると構造用合板側、つまりは外壁の通気層側に湿気が逃げていってくれます。

壁の中の湿気を、外へ逃がす
とは言ってもモイスやハイベストウッドなどより透しにくいです。
また、内部に関しては断熱性も気密性も必要ないので、筋かいでも良いと思ってます。
(天井断熱の場合は注意が必要ですが。。)
まとめ
建物をつくっていく場合は、これさえ使えば大丈夫!というわけではありません。
色々な要素がそれぞれに絡み合うので、その組み合わせの方が大切だったりします。
ですが、外周部には耐震性、断熱材の施工性、気密性の一石三鳥の構造用面材がよいでしょう。
和歌山県の紀南は、温暖なぶん夏の湿気が多い土地です。壁の中を乾いた状態に保てるかどうかは、建物が何十年もつかに直結します。耐震・断熱・気密・透湿は、どれかひとつだけを追いかけても答えが出ません。断熱と気密の考え方は温熱環境についてにまとめています。
和歌山県田辺市の工務店・谷中幹工務店では、構造見学会で壁の中をそのままご覧いただく機会をつくっています。釘の打ち方やPEパッキンの納まりまで、実物で見ていただくのがいちばん早いと思っています。
また、耐震性を高めるためには構造計算が重要となります。まとめた記事がありますのでよかったらご覧ください。こちら
なぜ耐震等級3が必要なのか?耐震性の確かめ方と瓦葺きの建物の耐震性
耐震性と長寿命住宅を実現する鍵|構造用合板の基礎知識と賢い選び方
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