UA値とは?和歌山県での断熱性能が高い住まいづくりに役立つ情報をご紹介
家は一生に一度の買い物と言っても過言ではありません。
「快適に過ごせる家を建てたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
住宅を建築するときにほとんどの方が気にしているのは費用や間取り、デザインかと思います。
もちろん、上記も重要になりますが
建物の気密性や断熱性能に目を向ければより快適に過ごせる家が建てられるでしょう。
本記事では、断熱性能(UA値)の低い家にするための役立つ情報をご紹介いたします。
断熱性能を高めた燃費の良い家にしたいという方は、ぜひご覧ください。
UA値とは?
UA値とは「外皮平均熱貫流率」の略で、住宅の断熱性能を表す数値です。
この数値が小さいほど住宅の断熱性能が高い事を意味し、外部からの温度の影響を受けにくく、
室内の温度を一定に保ちやすい住宅となります。
これより、冬は暖かく、夏は涼しくという快適に過ごせる家の指標となるといえるでしょう。
計算方法は住宅の壁や屋根、床などの外皮部分(建物の外側を覆う部分のこと)から外に逃げる熱量を
外皮全体の面積で割ったものであり、1平方メートル辺りの外皮からどのくらい熱が逃げているのかを
表すものがUA値です。
UA値の計算方法
UA値の計算式は次の通りです。
UA値=(UiAi)/A | |
UA値 | 外皮平均熱貫流率(W/㎡・K) |
Ui | 各部位の熱貫流率(W/㎡・K) |
Ai | 各部位の面積(㎡) |
MもしくはA | 外皮面積(㎡) |
UA値の計算は専門的な知識が必要になるため、工務店やハウスメーカーなどに相談をして正しく計算してもらい、断熱性能の高い住宅にしましょう。
和歌山県の各地域における推奨UA値
UA値が低いほど快適に過ごせると先述しました。では、どの程度のUA値を目指せばいいのか?目安となる基準は地域区分や等級によってそれぞれ推奨値が異なります。
和歌山県は4地域、5地域、6地域、7地域に区分されており
それぞれの地域のUA値は以下のとおりです。
4地域 | 高野町 |
5地域 | 田辺市(旧龍神村)、かつらぎ町(旧花園村)、日高川町(旧美山村) |
6地域 | 海南市、橋本市、有田市、田辺市(旧本宮町)、紀の川市(旧打田町、旧粉河町、旧那賀町、旧桃山町)、紀の川市(旧貴志川町)、岩出市、紀美野町(旧野上町)、紀美野町(旧美里町)、かつらぎ町(旧かつらぎ町)、九度山町、湯浅町、広川町、有田川町、日高町、由良町、日高川町(旧川辺町、旧中津村)、上富田町、北山村 |
7地域 | 和歌山市、御坊市、田辺市(旧田辺市)、田辺市(旧中辺路町、旧大塔村)、新宮市、美浜町、印南町、みなべ町(旧南部川村)、みなべ町(旧南部町)、白浜町、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町(旧串本町)、串本町(旧古座町) |
※新地域区分は2019年11月16日より施行。
※今後地域区分が一部変わることもあるかもしれません。
また、各地域区分・等級によるUA値は以下のとおりです。
4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | |
等級7 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 |
等級6 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 |
等級5 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 |
等級4 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 |
等級3 | 1.25 | 1.54 | 1.54 | 1.81 |
等級2 | 1.47 | 1.67 | 1.67 | 1.67 |
等級1 | – | – | – | – |
省エネ基準を満たすには等級4、誘導基準を満たすには等級5が必要となっています。
なお弊社では等級6以上を推奨値としており、各地域ごとのUA値は以下のとおりです。
- 4地域……0.34W/(㎡・K)
- 5地域……0.46W/(㎡・K)
- 6地域……0.46W/(㎡・K)
- 7地域……0.46W/(㎡・K)
どのUA値を目指したら良いのかわからないという場合は、お気軽にご相談ください。
和歌山県でUA値の低い家を建てるメリット
気密性や断熱性能の高い住宅は、外気温の影響を受けにくく快適に過ごすことができるなど、様々なメリットがあります。和歌山県は地域により気候や気温に差があるため、UA値の低い(=断熱性能の高い)家を建てることでどのようなメリットがあるか以下で解説します。
光熱費の削減
断熱性能が優れているため、冷暖房の効果が外へ逃げていきにくく使用時間を減らすことで
光熱費を節約できます。
住宅の広さや間取り、使用しているエアコンの種類などにより変動しますが
年間で数万円から十数万円程度節約できるでしょう。
光熱費の削減をより目指すなら、エアコンや給湯器などは効率的なものをできるだけ選び、太陽光も活用するなどして省エネ意識を高く持つことが大切となります。
快適な住環境を作れる
和歌山県は、1年を通して比較的に温暖なため、海岸沿いは冬は過ごしやすいが夏は暑くなるところもあり、山間部は夏は涼しく快適だが冬場は寒さが厳しくなる地域もあります。
上記のような気温の変化にも左右されることなく室内気温を一定に保ち、エアコンの使用時間を減らしながら快適に過ごせるようになり、光熱費節約にもなるでしょう。
快適な住環境を作ることと光熱費の節約が同時にできるUA値の低い家は、心と体も健康的に導く住まいと言えます。
ヒートショック対策ができる
ヒートショックは、室内の気温差で重篤な健康被害を引き起こす恐ろしいものです。UA値の低い家は、家全体の気温を一定に保てるため、ヒートショックリスクを大幅に減らせるでしょう。しかし、完全に解消できるわけではありません。
ヒートショックは、主に入浴時に起きることが多いです。そのため、対策として浴室や脱衣室に暖房を設置したり、室内の温度差をできるだけ小さく保ったりして入浴後は体が冷えないようにすぐに拭き衣服を着ましょう。
浴室だけでなく、トイレや廊下も気温差があまりないようにすることをおすすめします。
和歌山県でUA値の低い家を建てるデメリット
UA値の低い家は快適な環境を作れ、家自体の劣化も防げるなど良いことがたくさんあります。しかし、どのようなことにもデメリットが存在することは否定できません。どのようなデメリットがあるのか3つ紹介します。
初期費用が高くなる
機能性の高い断熱材や気密性能の高い材料を使った住宅は、通常よりも建築費や坪単価も高くなり、一坪あたり30,000〜50,000円程度増額すると言われています。
UA値の低い家を建てる場合、国や和歌山県からの補助金制度も整備されているため、上手く活用すれば初期費用の負担を軽減できます。ランニングコストで費用の節約できるため、長期的に見れば元を取ることは可能でしょう。
施工業者選びが難しい
そもそもUA値の専門知識・技術を持った業者が少ないことが施工業者選びが難しいと言われる理由です。施工ミスがあった場合に致命的な問題となることが多く欠陥住宅となってしまいます。
特に気密と防湿については正しい知識が求められます。
UA値の低い家を建てるためには、気密性や断熱性能を最大に生かすために高度な技術と知識が必要であり施工業者と設計者が設計の段階から連携し、一丸となり作業を進めていくことが重要になるでしょう。
デザインに制限がかかることがある
断熱性能を高めるために窓の面積を小さくする必要があり、窓の位置も自由に決められない場合が多いでしょう。屋根も断熱性能の高いものにするため、形の制限がかかることもあります。
しかし、工務店やハウスメーカーの担当者や設計士と十分な相談を行えば、断熱性能はそのままで希望に近づけるようなデザインを提案してくれるでしょう。
和歌山県でUA値を低い家にするポイント
UA値の低い家にするには、断熱性能や気密性を上げることに重点を置く必要があります。UA値の低い家にするための3つのポイントを説明します。
断熱材の特徴を理解して施工する
高性能な断熱材を選ぶ際には、熱伝導率が低い素材やできるだけ厚みのあるものを選ぶと良いでしょう。施工には専門知識や技術が必要であるため、扱いやすい素材を選ぶことで、湿気やカビなどを防ぐことに繋がります。
断熱材は種類や厚みで費用が高くなりますが、断熱材の厚みはUA値に大きく影響するため予算と相談しながら、できるだけ厚い断熱材にした方が良いでしょう。
気密性を上げる
気密性を上げるためには、住宅のあらゆる隙間をなくす必要があります。一番隙間ができやすい玄関やドア、窓には高気密性能のサッシを使用し、隙間風を防ぐことで気密性を向上できるでしょう。
その他にも、余計な隙間をなくすことで空気を効率的に換気することができ、快適な室内環境を維持できます。
断熱性の高い窓にする
窓は開け閉めすることが多く熱の出入りが大きいため、高気密性能のサッシや2重3重の窓ガラスを取り入れることで、UA値を大きく下げられます。
断熱性能や気密性を高めれば、窓から失われてしまう熱を最大70%程削減できるため、冷暖房費を節約でき、一年中快適な室温を保つことができるでしょう。家全体の気温差が少なくなりヒートショックのリスクや、結露も抑えられるため、カビやダニも発生しにくくなります。
施工業者を選ぶとき確認すること
UA値の低い家を建てるとき、施工ミスは重大なトラブルを生みます。そういったトラブルを避けるため、慎重に施工業者は選ばなければなりません。
過去の施工実績
過去にUA値の低い家を建てた実績があるか必ず確認をするようにしましょう。経験や実績が多い業者は専門知識・技術を持っていることが期待でき、安心してお願いできます。
過去の施工実績はホームページや資料請求などで紹介しているもの、知人や友人、インターネット上の口コミなどで施工業者に対する評判を確認できるでしょう。
UA値に関する知識や技術
UA値の計算方法や施工方法、断熱材の種類などに関する知識・技術を持っているかどうかを確認するようにしましょう。
地域や建物の広さでUA値は変わってくるため、コストバランスも考慮に入れる必要があり、専門的な知識や技術がある業者の場合、施主に希望に沿ったアドバイスや提案をしてくれることも期待できます。
断熱材や窓の種類
機能性の高い断熱材や窓の取り扱いがあるか確認するようにしましょう。断熱材には以下があります。
- 安価で入手しやすいグラスウール
- 環境に優しいセルロースファイバー
- 断熱性、耐水性に優れるポリスチレンフォーム
- 熱貫流率が低くて断熱性能が非常に高いトリプルガラス
- 表面に特殊な膜をコーティングして熱の出入りを抑えるLow-Eガラス
- 熱伝導率が低いため断熱性能が高い樹脂サッシ
様々な種類の断熱材や窓などに対応できる必要があるでしょう。
気密施工の経験
気密施工はUA値の低い家を建てる重要なものになるため、実績があるかどうかを確認しましょう。
きちんと施工出来たかどうか確認出来る気密測定を行っている施工会社を
選ぶことも安心に繋がります。
過去の経験から気密性を低下させる要因を探ることができ、適切な対策をしてくれます。
また、ほんの少しの隙間にも気を配り、丁寧な施工で気密性をが高い家を実現してくれるでしょう。
まとめ
UA値の低い家を建てるには専門的な知識や技術が必要となり、施工業者を探す際は慎重にならなければなりません。高機能の断熱材や高気密の窓など、通常の家では使わないような部材を使うため、初期費用を含め全体的に金額は高めです。
しかし、UA値の低い家は断熱性能や気密性により1年を通して快適な環境の中で過ごせるでしょう。家全体の気温差が少なくカビの発生やヒートショックも起こりにくい、健康的に暮らせる家を検討してみてはいかがでしょうか。