きみの友だち 本棚と小説と子供の成長
和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。今回はひさびさに読書がテーマ。
普段は仕事がら建築系の本を読む事が多いです。事務所の本棚も以前はカタログの比率が高かったのですが、今ではその勢力は陰をひそめ、様々な建築系の書籍がならんでます。仲良くさせて頂いてる工務店さんや建築士さんの事務所にお邪魔する機会があるとついついその本棚に目がいってしまいます。結構同じ本を持っていたりしてほくそ笑んだり(笑)はたまた知らない本などがあったら触発されて買ったりしてます。
小説もムラがありますが読んでます。学生時代は歴史小説、それも司馬遼太郎さんの著作が好きで色々と読み漁ったものです。小説も気に入ったものは手もとに置いておいて読み返したりもします。読むときの年齢や気持ちで感じ方が違うのが小説の面白いところだと考えているからです。重松清さんの『きみの友だち』もまさにそのような作品。
初めて読んだのはもう随分と前で10年程前になりますが、印象に残っている本の一つです。主人公たちを中心に様々な視点や時間軸で、それまた様々な友だち、友情について書かれてまして、きれいだけではなく、少し生々しいお話も盛り込まれてますが読後感は爽快でした。
友だちはたくさんいた方がいいんだろうか?
親友と呼べる友だちが一人いればいいんだろうか?
それもと、友だちなんかいらないって突っぱねる方がいいんだろうか?
女の子同士のやり取りが中心なので、男子の僕には良く分かってない所もあるんでしょうが、友だちっていう存在に対して色々な想いを教えてくれました。
学生時代を終えて、気が付けば社会人となり20年が経とうとしてますが、改めて、いい友だちと巡り合えたなと気付かせてくれた作品でした。
その『きみの友だち』を先日、久々に読み返してみました。10年前と違うのは2人の女の子と1人の男の子の父親となったこと。前は自分に置き換えて読んでいたのが、今度は自分の子供に置き換えて読んでしまいます。自分と同じようにいい友だちとの巡り合わせが、これからあれば良いのにな。友だちっていう存在を自分の中できちんと考えて大事に出来る人になって欲しいなと感慨深くなってしまいました。
そんな事を考えていると小学4年の長女が『ちょっと読んでみた』 と話しかけてきてハッとしました。大きくなってきたなぁとは感じていましたが、その成長を違う一面で垣間見た気分です。読み終えたあと彼女はどう感じるのかな?小説の新たな楽しみを感じます。
良いなと思った小説はこれからも置いておいいきます。それは今までは自分のためだったのが、自分の子供のためにもなるのだと気付いたからです。
皆さんも良かったら手にとってみて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。