プレカットと構造図(伏図)と構造計算 どちらも理解したうえで作成していく事が大切
和歌山県田辺市で木の家の新築、リフォーム、リノベーションをしてます
谷中幹工務店の谷中です。
今回のテーマはプレカットと構造図(伏図)と構造計算。
昨今はプレカットによる加工が増えてます。
当工務店でもコストや工期、また架構の組み方も様々な対応を
してもらえる様になっている事もありプレカットを採用する場合が
ほとんどになりました。
そこで大切なのは信頼できる製材・プレカット加工会社としっかりと
タッグを組み、設計者自身がでもキチンと図面を書きそれを基に
CADオペレーターの方と打合せを十分に重ねる事です。
きちんと考えた分それはお家の出来が答えてくれると信じてます!
ただ気を付けないといけないのは、プレカット図は前述のごとく
あくまでも設計者が検討しなくてはならない点です。
なぜなら、プレカット加工会社さんは構造計算まで行っていないところが
大半だからです。あくまでも、構造図と構造計算を照らし合わせて
決めていくのは設計者(工務店さんや設計事務所さん)の仕事です。
意匠設計と構造設計
一般の方にはあまり聞かれたことがないかもしれない
建築用語に 意匠設計と構造設計があります。
意匠設計は平たくいえば間取りや空間のデザインを設計する事
構造設計はまさしく骨組みや耐震性を設計する事です。
意匠設計でよく目にするのが平面図。
乱暴な表現かもしれませんが、構造設計では構造図(伏図)がそれに
あたります。
それでは、伏図とはどのようなものでしょう?
構造図(伏図)とは
構造図は伏図とも呼ばれていて、伏図の方が私たち実務者には
聞きなじみがあります。
棟上げの時に組まれていく木々は美しくも頼もしくもあります、
そのもとになる図面が伏図です。平面図と同じように上から
見下ろした図面で土台なら土台伏図と言うように呼ばれます。
木造2階なら土台伏図、胴伏図(2階床をささえる梁などの図面)、
小屋伏図(屋根(母屋)をささえる(2階の天井裏)小屋の図面)、
母屋伏図(屋根を直接ささえる母屋の図面)がおもで、
それをもとに前述のごとく木は加工され、現場で組まれていきます。
それらをさして、構造図(伏図)と呼びます。
構造図(伏図)には他にも基礎のための図面、基礎伏図があります。
↓こちらが構造図(伏図)
構造図(伏図)のもととなる構造計算
間取り的な視点や構造的な視点、またまた設備的な視点。
平面的な視点や立体的な視点と様々に絡み合う物事を
整理しながら構造図(伏図)は進められていきます。
構造的な視点でいうと、木のサイズをどれぐらいの大きさにするか、
木と木との継ぎ手に筋かいなどが配置されない様になどを確認していきます。
木のサイズは構造計算をかけて決定して行きます。
木材のサイズも構造計算で算定
構造計算というと耐震性のための計算という印象があるでしょう。
それももちろん、正解です。
それとは別に実は実務者にとって、大切な検討も構造計算で
行われます。 それが木材のサイズです。
使用する木材の強さや屋根を支える木なのか床を支える木なのか(部材)、
屋根の重さや支える柱の間隔(スパン長さ)などの条件を決めて
専用の構造計算ソフトによりの断面寸法を求める事が出来ます。
それを基に木材のサイズを決めて構造図(伏図)に反映させていくのです。
つまり、構造図(伏図)を作成してそこから構造計算をして木材のサイズを決めていき
また構造図(伏図)に戻ってきます。
この二つを行ったり来たりしながら決められていきます。
また、それらを進めていき、他に検討しないといけない部分などが出てくると、
一旦平面図などに戻ることもしばしばです。
ほかにも断面図や展開図などの図面を行ったり来たりしながら、伏図は出来上がっていきます。
同じ平面図で家を建てたとします。その時に建物の高さが抑えられいる方が
佇まいがよくなります。
きちんとした骨組みを担保しながら、いかに建物の高さを抑えるか?
と建築家をふくめ、おおくの住宅設計士が悩み検討している部分です。
少々骨はおれます(笑)ですけども、大切な構造図(伏図)。
設計者としてはキチンと考え、決断して作成するべきだと考えてます。
こういった事をへてますので、棟上げの骨組みを見ると尚更こみあげてくるものがあるんです!
構造計算のススメ
最近は木造住宅でもきちんと構造計算をする事が多くなってきています。
勘や経験だけでは地震に強い建物を設計するのは難しいです。
より強くより美しくするために構造計算は不可避です。
構造計算について書いた記事は こちら
最後まで読んで頂いてありがとうございます。