~2020年に向けた、住宅の温熱環境とは~ 設計事務所セミナーに参加してきました。

和歌山県田辺市で木の家づくりを行っている 谷中幹工務店です。

昨日 近畿大学主催、後援 YKKAP によるセミナーに参加してきました。講師は近畿大学建築学部学部長の 岩前 篤 先生と東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授の 前 真之 先生。住宅の温熱環境で第一線を引っ張っておられると言っても過言ではないお二方の贅沢な組み合わせです。前先生は先日出された著書『エコハウスのうす』が話題になってます。タイトルこそキャッチーというか刺激的ですが、住宅の温熱環境について丁寧にひも解くような構成になってますので、専門家はもちろん一般の方にも分かり易いモノになってます。ちなみに最初は『エコハウスのウソ・ホント』というようなタイトルの予定だったそうですが、変わってしまったとの事。それが示すようにエコハウスを否定するものではなく、間違った方向に向かってしまっているものも見受けれらる現況に警鐘を鳴らすような著書となっています。

実はお二人のお話を伺うのは2回目、年度日時は別ですがMOKスクール大阪に講師としてこれられました。MOKスクール大阪を主宰されてます建築家の三澤ご夫妻の人脈おそるべしです。前先生は今年のMOKスクール大阪にも来られる様ですので、興味がある方はぜひ参加してみて下さい。

MOKスクール大阪についての記事は こちら

MOKスクール大阪HP

さて、前置きが長くなりましたが講演についてです。最初は前先生。パネル芸人の真っ蒼のテンポで画像を次々に変えながらお話しされます。時折おりまぜられるファーストガンダムネタ、僕の心を鷲づかみです、プロフィールをみるとやはり同世代、勝手に親近感がわきまくりです(笑)理系のロジカルなお話がもちろん中心ですが、そう言った研究や考察はなんの為に行っているか、その目的が大切との事。繰り返し出てきたキーワードの様な言葉

『幸せな生活を 末永く』 幸せな生活=健康 末永く=サスティナブル・持続可能な

その様な家をつくる、建てる事が目的あり、それを見失い、手段に溺れ過ぎてはいけないとの事。ではどのような手段(家を考え、つくる事)が大切なのか?それはそれぞれのつくり手が地域の環境や気候に根差した考察や信念をもったものにすべきであると、つくり手がその様な目的の家(言いかえるとエコハウス)について自分達の言葉置き替え、考えつくる事が大切だと伝えて頂きました。そして、それらをふまえた 『必要にして十分』 含蓄のある言葉でした。

また究極の温熱環境は不感 快適なではなくそれすら感じさせない、意識させない環境が究極とのお話もなんだか目から鱗でした。

岩前先生は 健康な暮らしと健康な住まい をテーマにお話しして下さいました。『幸せな生活を 末永く』出来るような家がなかったらどうして健康を害されてしまうかです。入浴中になくなる方が10年前の1.7倍に増え4,866人に上ったニュースを引用され、実際にそれが原因で救急搬送後等で亡くなられた方を入れると17,000人に上ってしまい、それが低温による(ヒートショック)年間死亡者数との認識が一般的であるが、実はそれは氷山の一角であり年間死亡者数の120万人のうち10%が低温が原因による死亡と考えられ、それを合せるとなんと12万人にも上ってしまうとこ事。後者をわかりにくいヒートショックとたとえ、もはやヒートショックではなく『ヒートダメージ・コールドダメージ』であり低温による健康への害、悪影響が過小評価されているとお話しされてました。『低温は万病のもと』心が寒いと感じた時にはすでに身体は低温によるダメージを受けているともお話しされ、なんだか気付いた時はもう遅い的な怖い話でしたが、つくり手としてしっかり認識しなくはと痛感しました。

『断熱の意味=健康』 『健康=リスクの低下』 家づくりの大切な要素の一つである温熱環境の意義について改めてたくさんの気付きを頂けたセミナーでした。関係者の皆さん、ありがとうございました。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。