「肌で感じられる素材」カテゴリーアーカイブ

杉床板 浮造(うずくり)仕上げ

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。

床板が何が良いかは、みなさん、悩まれることが多い事です。かくいう私も自宅を建てる際には御多分に漏れず色々と悩みました。その中で選んだのが『杉板 浮造り(うづくり)仕上げ』です。今回は 浮造り(うづくり)の床板がテーマです。

杉厚床板 浮造の画像
杉板に浮造り加工を施したもの。よく見ると凹凸があるのが分かります。

浮造り(うづくり)とは

浮造(うずくり)仕上げとは木目の柔らかい部分(春目)を磨いてへこませる事により、堅い部分(秋目)の木目を浮き立つようにした仕上げ方法です!木の表面を強くして傷が付きにくくする効果もあるとの事ですが、その際立った木目の美しさや、えも言えぬデコボコとした足触りが魅力です!

造り方

床板を磨くと表現しましたが、それを行うのが上の機械。こちらは三重県にあります『野地木材工業』さんでの一コマです。野地木材さんで加工された床板や化粧板は当工務店では定番となってます。この機械で杉床板にワイヤーブラシをかけて、秋目をだしていきます。磨くというより、削るでしたね。機会と職人さんが一体となり、いい頃合いになるように、丁寧に確認しながらの作業です。

そして体験

私も自宅という事で、この工程を体験させて頂きました。子供たちもさせて頂き、楽しいひと時。この体験を通じて、家づくりを感じてもらえたようです。記念に名前も、といっても隠れてしまいますがw

私の目が真剣過ぎますw

杉床板浮造り(うづくり)メリット、デメリット

メリットは何といっても足ざわりです。私ははだしで過ごすことが多いのですが、ほんと心地よいです。杉床板というのもありますが、さらりとした質感で、はだしで歩くのがより好きになります。そして、自宅では床下エアコンといって床板がほんのり暖かくなる暖房方法を採用しているのですが、それとの相性も抜群。季節をとわず心地よい床板です。私のような裸足フリークにはもってこいの床板です。

デメリットは一等材(節のある床板)にはワイヤーブラシを掛けられないので、どうしても無地・上小材(節がなかったり、あっても小さいもの)となり、さらに浮造り加工も入るのでお高くなる事。

関連記事
木の床 無垢フローリング 杉の選び方 一等材と上小材

お気に入りの逸品を

床板はお家の中でも一番触れる機会の多いものです。その良さや悪さなども合わせて気にいるモノを使って頂きたいです!

また、床板をあとから張り替えるのは大変(お金もかかる)ので内装の素材では一番、予算を掛けてもよいと感が手ます。

あんまり難しい事を考えないで、手にとってビビっと来たものってのが一番いいかもしれませんけどね(笑)

サンプル取り寄せて、触れてみて、お気に入りの床材を見つけ出して下さい。

杉床板 浮造り仕上げを使った施工例はこちら↓

玄関からリビング。杉なぐり床から杉浮造りフローリングへと足の感触が心地よい。
緑をめでる家 施工事例

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木は濡れても大丈夫!?乾燥材と新築工事と雨養生

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。先日棟上げしたお家の屋根の下地工事が完了しました。雨対策で外周もぐるりとブルーシートで囲う事が出来て、ここまで来ると一安心です!今回は久しぶりの日本瓦葺き、そのため屋根の下地工事に手間がかかりますので、いつもより増して天気予報と睨めっこでした(笑)このように新築工事は屋外でするため天気の影響をもろに受けます。今日はその辺りをテーマにしたいと思います。

木は濡れても大丈夫!?

新築工事中でまだ外壁や屋根が出来ていない状態では、雨で木材が濡れる恐れがあります。では、木は濡れてしまっても大丈夫でしょうか?

木材に含まれる水分

最近は木材に乾燥材が使われる事がほとんどです。木材に含まれる水分には『自由水』と『結合水』があります。その違いは木材の細胞の中にある水分かどうかです。『自由水』は細胞の外、『結合水』は細胞の内にある水分となります。

結合水まで蒸発した乾燥材の特質

木材を乾燥させるとまず『自由水』から蒸発してなくなっていき、『自由水』が無くなった木材の含水率(木材の含む水分量を、木材そのものの重さをもとにした比を百分率で表した数値)は30%程となります。

その後さらに乾燥が進むと『結合水』が蒸発していきますが、結合の名の通りしっかりと木材と結合された水分なので、きちんと蒸発させるのには骨が折れます。しかし、その分、細胞内の『結合水』が蒸発すると再び水分が細胞の中に入るのは、煮沸などをしない限り困難となります。『結合水』まで抜けた時の含水率は15~20%となります。

木は“少々”濡れても大丈夫

『結合水』まで蒸発した木材の特質(細胞内の『結合水』が蒸発すると再び水分が細胞の中に入るのは、煮沸などをしない限り困難)から少々の雨でただちに悪影響が出る事はないです。表面が濡れてしまっても木材の内部まで入り込む恐れがないからです。そういった意味からもきちんとした乾燥材を使う必要があります。しかし、長雨にさらされるとカビなどが生えてしまう事も考えられるので楽観は出来ません。

しっかりと雨養生

新築工事などの現場は私たちにとっては我が子の様なもの。これに共感してくれるつくり手は多いと思います。少々の雨は大丈夫とは知識としては持っていても少しでも濡らしたくないと思うのが心情。いつも天気予報とにらめっこしながら、いかに濡らさないと苦心しているのです。この仕事をしていると天気予報と雨雲レーダーのヘビーユ―ダーとなります(笑)

しっかりと雨養生が行えた現場
しっかりと雨養生が行えた現場

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番付けと木くばり 杉・桧化粧材を使う

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。先日、山長商店さんに行って来ました。山長商店さんは私たちの地元田辺市にある江戸時代から林業を営んでいるまさしく老舗です。老舗でありながら、最新の木材の乾燥技術を取り入れたりそれと一貫されたプレカットをされてまして、僕たち作り手である工務店には心強い存在です。

訪問目的は化粧材の番付です。建物の骨組みである柱や梁でそのまま内部の仕上げとして見えてくる部分を化粧材と呼び、番付けとは、それら見える柱(化粧材)にどの木を使うかをまた、どの面を見せるかを選ぶ作業になります。平面図でどの面が見えるかを確認して完成も想像し、実際に木肌の様子を見ながら一本一本選んでいきます。この作業はいつも親方と二人で行ってますが、今回は実弟大工を交えて3人で行いました。完成を想像しながら、ケンケンガクガク意見を交してやってます。

MOKスクールを主宰されていたMs建築設計事務所の故三澤康彦先生がその講義のなかで、番付けの事を気配りとかけて木配りておっしゃってましたが、この作業の僕たちつくり手の気持ちの本質を語っているようで本当にいいお言葉です。

今度のお家は久しぶりの真壁といって柱が見える造りになります。そして、その柱も桧。真壁の桧普請となります。

大黒柱も今回は登場します。後ろには山積みの木材が
大黒柱も今回は登場します。後ろには山積みの木材が

もちろん良い木を出して頂いていたのですが、そんな時は僕も欲が出てしまいまして、もっとイイ木がないかなぁと、うんうん唸っていると担当の方が、再度他の木を出してくれるとの事。その心遣い、同じモノを作る者として嬉しい限りです。そして今回伺って決めて来ました木は、そんな欲張りな僕も満足の一品でした。棟上げの時にその梁や柱が組まれる姿を想像するとニヤついてしまいます(笑)

番付の終わった桧化粧柱。見える面や柱の位置をしめす番付が木に書き入れられます。
番付の終わった桧化粧柱。見える面や柱の位置をしめす番付が木に書き入れられます。

こちらは以前のお家で番付した化粧梁。杉材になります。こちらも良材でした。

 選ばれた杉化粧梁はこのあとプレカットへと向かいました。
選ばれた杉化粧梁はこのあとプレカットへと向かいました。

で、実際にお家の一部となった杉化粧梁さん。惚れ惚れです!白い内装と杉。ベストマッチのひとつだと思っとります。こういうのを想像しながら、番付をおこなっております。

勾配天井。化粧梁と厳密には化粧母屋(笑)
勾配天井。化粧梁と厳密には化粧母屋(笑)

改めて良い木が多くてきちんとした製材所がある和歌山、紀伊半島って有難いです!

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吹抜けと障子 革の取っ手 Tongue 小泉誠さん

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です

2階の吹抜けに面したところに障子を取り付ける事があります。2階と1階が柔らかくつながる感じが気に入ってます。

田辺市吹抜けのある家
田辺市吹抜けのある家

田辺市吹抜けのある家 完成画像はこちら

障子は桟が吹抜け側から見えるようになっています。実はそこで問題が発生します。2階側からは桟の上に紙をはっているので、手が掛かるところがない。つまり、あけずらい問題。下の画像がそう、紙を破いてしまう恐れが大です。

そこで登場するのが 革の取っ手『Tongue』小泉誠さんのデザインです。これをとってに使うことで問題が解決します。上の画像もよく見ると黒いものが見えますが、それが『Tongue』です。機能を果たしながら、さりげないので気に入ってます。

革の取っ手 Tongue 小泉誠さん
革の取っ手 Tongue 小泉誠さん

こちらもむかって左側にちらっとみえてます。

デザイナーの小泉誠さん

2013年、かれこれもう6年前に講義をきく機会がありまして、そのデザインはもちろん、考え方にも触れることが出来てすっかり感銘を受けました。その時のレポートが下記の文章です。よかったら、読んでみて下さい。

『先日14日はMOKスクール大阪最終日、早いもので僕にとって4回目の最終日です
MOKスクールの講義に来て頂いている講師陣の方々は本当に多種多様、それゆえに講義ごとに改めて木造建築の奥深さを痛感しきりです。今回は木造建築の防火のエキスパート安井昇氏とデザイナー小泉誠氏が講義して下さいました。その中でも小泉誠氏の講義を取り上げさせて頂きたいと思います!

言わずと知れた日本を代表されるデザイナー。田舎モンの僕なんかはそう聞くとついつい都会で机の上でデザインさているのかな、なんてうがった思いをしてしまいますが、その考えは気持ちの良いぐらい裏切られます(笑)

氏は様々な地方都市でモノづくりを実践されてます。有名な地方都市もありますし、それこそ初めてその名を知るような所もあります。そしてそれらの地に足を運び、それぞれの地域ならではの素材、技術、想いを込めてモノづくりをしている様子をお話し頂けました。
その物語を伺っているとモノづくりやその地域に、真摯に誠実に向かい合われている様が目に浮かぶようでした。その地域の為にどのようなデザインを形づくるか?そのデザインを通じて地域の産業は元気になるか?出来上がる形としてのデザインだけではなく、そのモノづくりの過程をも覚悟を持ってデザインされ取り組んでおられる様子が伺い知れました。
形だけなら真似する事は出来るかもしれませんが、その思いは決して真似る事の出来ない、総じて小泉氏のデザインは誰にも真似する事は出来ないモノなのでしょう!

講義をお聞きして、それらのデザインに込められた様々な物語りが一層そのモノとしての魅力を増していき、そのモノを使ってみたい、そのモノを手に取ることでその物語りの一員になりたい、という新たな思いが自分の中でフツフツと湧いている事に気付きました。
そんな思いを込めて、そしてその思いをみなさんに気付いてもらえる。僕たち建築に携わる者にとっても根っこともいえる大切な事を改めて教えて頂いた様な気がします。

来年の目標はこいずみ道具店に伺う事、そう決めたMOKスクール最終日でした。』

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地震に強い だけじゃない 耐力面材モイス ええ奴やけど重いヤツ(笑)

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です

建物で地震や台風に対抗する耐力壁。筋交いや構造用合板などがあげられますが、当工務店ではモイスを使うことが多いです。先日もモイスの施工のお手伝いをしたのですが、建材としては素晴らしいヤツなのですが、何せ重い、ほぼ30キロ、最近重くなってきた次女もえちゃんを超える重量です(笑)

モイスといってもなんのことやら。建物が出来上がると隠れてしまうモイス。ですが、その役目は重要です。
今回のテーマはそんな構造用面材 モイス。

モイス ①土にかえる面材

耐力壁として取り付けられた白い板がモイス

モイスとは小石灰・珪砂・パーミキュライトなどの天然素材が主成分の構造用面材です。製造過程でも接着剤などの有機材料は使用せず、有害物質も含んでいません。粉々にすると肥料にもなる土にかえる素材です。農林水産大臣の肥料登録もされているとの事。このあたりにこだわりを感じます。

dsc_1698

少しひいたアングルから モイスを施工中の現場

②シロアリはモイスが嫌い!?

モイスは無機質系材料なので、シロアリの好む栄養分が含んでいたません。防蟻処理をしなくてもシロアリの被害を抑えることができます。長期優良住宅のマニュアルにもこれについて記載があります。

③防耐火性 外壁に板が使える

モイスは不燃材として国土交通大臣認定を受けています。普通だったら板を張れないような地域(建築基準法で定められています。)でも、モイスを張ることによって、その上に板を張ることが出来ます。外壁に板を使いたい時に、使えるようになるので頼りになるヤツです。ただ、和歌山県の場合はほかの地域に比べてその扱いがシビアですので、ご注意下さい!

しかも、モイスは無機質系材料。煙や有害物質が発生しません。モイスTMは国土交通大臣認定の不燃材。
薄くても火に強く、さらに無機質系材料が主な原料なので、
煙や有害物質を発生しません。

④透湿性能がある!

そしてモイス、その最大と私が勝手に考える特徴は壁体内部の環境を整える透湿性です。

壁体内部とはその字のごとく壁の中の事です。ここで結露が常時出来る様な事が起きますとその水分により柱が痛むばかりではなく断熱材にもダメージを与えてしまいます。健康な方は内臓が丈夫なんていいますが、お家の場合は壁体内が健康な家は丈夫なのです。つまり見えない部分をキチンと考えつくる事で建物全体の耐久性を高める事が出来る訳なんですねぇ~
その点、モイスは壁体内が結露が発生するような高湿度領域になるとその透湿性により自らの透湿抵抗を下げて屋外へ湿度を吐きだす事が出来るのです!

デメリット

モイスのいいところばかり列挙しましたが、もちろん、デメリットもあります。まずはコスト。付加価値のある素材ですが、素材だからこそか、ほかの面材に比べて高額です。あとは、重いです。これは、僕たち作り手が踏ん張ればよいので、たいしたデメリットではないですね笑

まとめ

一言に耐力面材といっても、色んな特徴があります。耐震や気密性などを考えると、筋かいではなく耐力面材の一択となります。詳しくはこちらの記事に↓

耐力壁は何がいい? 構造用面材と筋かい 耐震性と断熱性と気密性

耐力壁にも色々と種類があります。どのようなものが良いか一度立ち止まって、ご検討下さい。おすすめのひとつがモイスです。

番外編 ⑤消臭性能

モイスには活性炭のような調湿、消臭効果があります。お家の中で湿度があって消臭出来るといい所・・・・という事で、玄関収納の棚にモイスをよく使用します。外壁が出来ると隠れてしまう優秀なモイスに少しでも陽の目の当たるところへとの思いですが、そんなに陽の目にはあたってないですね笑 現場ででた端材の有効活用です。

造作玄関収納の棚板にモイス
造作玄関収納の棚板にモイス

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軒天の仕上げ方 木(杉羽目板 本実加工)とケイカル板

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。

外観の印象を決めるもの 佇まいや外壁材や屋根材と、いくつかありますが軒天も大切な要素のひとつです。今回のテーマは『軒天』です!  あっあと植栽もすごく大事(笑)

今回の記事は過去の記事を加筆修筆したものです。2019/6/7

落葉樹が芽吹いてきました
落葉樹が芽吹いてきました

軒天(のきてん)とは

軒裏(のきうら)とも呼ばれます。地上から屋根の裏側を見上げた部分をさします。タルキを見せる仕上げとタルキを隠しす仕上げがあります。仕上げ方や、使う材料で印象が随分と変わってくるのできちんとした検討が大切です。あと、コストも(汗)

杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天
杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天

仕上げ方 タルキを見せるか見せないか

タルキをいうのは、屋根をささえる部材となります。先程の画像のお家はタルキを隠した仕上げ、下の画像はタルキを見せる仕上げ方です。与える印象は随分と変わってきます。タルキを見せる方が和風の色合いが強くなってきます。また、タルキを見せる仕上げ方の場合は屋根の通気のとり方に工夫が必要となってきます。ちなみにこの場合、板は相しゃくり加工となります。

軒桁を用いた本格的な和風のテイストです
軒桁を用いた本格的な和風のテイストです

仕上げ材の種類 ケイカル板と木

隠す場合も今回の画像のように木を使用する場合と『けいさんカルシウム板』通称ケイカル板を使用する場合とがあります。準防火や防火の指定を受けていると木は使えないですが、そんな時はケイカル板の出番となります。ちなみに田辺市やその近郊市町村の場合は木は使用することができます。

ケイカル板の特徴

ケイカル板のメリットは防火性が高い事とコストパフォーマンスに優れている所です。しかし、木の美しさも捨てがたい。悩ましいところです。下の画像は白いそとん壁に白く塗装したケイカル板の外観です。すっきりとした好きな組み合わせの一つです。そとん壁についてはリンクをご覧ください。詳しく書いた記事となります。

そとん壁

軒天にケイカル板を張ったお家 スッキリとした印象です
軒天にケイカル板を張ったお家 スッキリとした印象です

施工事例 タタミリビングの家

タルキを隠して木と使う場合 通称 羽目板とは

天井(今回の場合は軒天)や壁の板張りに使われる板のことの総称です。板と板の接合方法には、本実(ほんざね)雇い実(やといざね)相しゃくり などがあります。今回の画像のお家は板を留めつける釘が見えない本実(ほんざね)加工を施した板を使ってます。

本実加工は 凸凹してます。

本実加工とは下の画像の様に、板をくっつける時に板同士がかみ合う様に、板のそばに凸凹の加工がしてあるものです。床板にも、同じ加工がされているのが一般的です。

本実加工 凸凹をほどこした羽目板
本実加工 凸凹をほどこした羽目板
本実加工 凸凹がくっつくいた状態
本実加工 凸凹がくっつくいた状態

本実加工を行うと凸の部分に釘を留めつけてから、凹の部分を差し込んでいくので、留めつけた釘が見えなくなるのが特徴です。羽目板だけのすっきりとした雰囲気となります。

凸の部分に施工された釘の画像
凸の部分に施工された釘

木の等級の確認しよう

画像の軒天化粧板は杉上小節材、小さい節が入ってる等級になります。がしかし、実際はほとんど無地(節がないもの)も含まれてます。ですので納品した木を一度梱包をといて検品し、節のあるもの、節がないもの、色の具合などを仕分けして、いくつかのクラスに分けてます。
その中でとくに目の付く場所の軒天のにはきれいなものを使います。無垢の木を使う場合はこのひと手間が大切となります。

ちらっとみえるのが小さい節。上子節という等級です。

まとめ

一言に軒天といっても色々な仕上げ方があります。まずは屋根の通気をきちんと確保したうえで、どのような仕上げ方が良いか検討してはいかがでしょう? 軒天は意外と目に入るのでご自身のお好みをきちんと反映させたものをお薦めします。

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建具は引き戸

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。先日、お問い合わせを頂いた住まい手候補の方をOBの住まい手のお家にご案内させて頂きました。モデルハウスを持たない(持てない!?)当工務店といたしましては、そういったお願いにご協力頂ける住まい手がいらっしゃる事は心強いことです!そのなかで出ましたご質問から、今回のテーマは『建具と引戸』

建具とは

『建具』 建具と住宅は切っても切れない仲。毎日開け閉めしますし普段の生活によくかかわるモノです。また空間のデザインを考えた時も、パッと目に付くのでこれまた重要な役割を担ってくれてます。

建具の選定はプランニングから始まります。

プランニングを見る時はついつい部屋の位置やつながり、動線や収納量などが気になりますが、建具がどんなものかも実は重要です。私はプランニングを行う際には、極力引戸にするようにします。正直、開き戸(ドア)の方がプランを作成するうえでは、楽!?ですが、極力そうしています。プランが出来上がってから、引き戸をドアに変更する事は可能ですが、その逆は難しいからです。

引き戸のプランを考えるのは大変!?

引戸はドアと違って、建具が納まる壁が必要なので図面を書くほうといたしましては苦労する事が多々あります。建具のとなりに建具と同じ巾以上の壁が必要なのです。また、スイッチやコンセントも建具が邪魔で取り付けなかったりするので尚更です。その点、ドアはそのような事を気にせずにドアの事だけを考えてプランニングは行えます。そう考えると引き戸のプランは大変だといえます。

それでも引戸がいい! そのメリット

引戸は大変。でもそれは造り手の事情(笑)住まい手にはたくさんのメリットがあります。その後の生活の快適性を考えたらしなければいけない苦労だと考えてます。ドア(この記事では開き戸の事です)と違って開けたままでも邪魔にならないですし、開け閉めの際も体の動きが少なく安全です。少し開けておくなんて事も可能ですしね。部屋と部屋を繋いだり、閉ざしたりするもの自然に行えます。最近はハンガーレールをつかった上吊戸になっていますので、床もシームレス(敷居がない)に作ることができてスッキリ感も増しています。

最後に

杉赤身材建具 片引戸

こちらの画像は杉赤身材の建具。玄関から入るとまず見えるシーンです。色んな材で建具を製作してますが、杉赤身材の建具は好きなもののひとつです。左手の玄関収納がラワンベニアで製作したので、それに色みを合わせてご提案させて頂いたものです。全体の雰囲気を考えながら素材は吟味していきます。あ~でもないこ~でもないなどと悶々としたりしますが、出来上がった住宅を住まい手と共感出来た時、それなんかは全部吹き飛んでしまいます。私もこんな玄関で迎えられたいものです。アパート住まいなもんなので(笑)

そうそう、建具は建具屋さんに作ってもらいましょう。

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木の床 無垢フローリング 杉 選び方 一等材と上小材

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。床材は当工務店では木の床。無垢フローリングを採用しています。無垢フローリングには大きく分けて木の性質から針葉樹と広葉樹に分けられます。針葉樹には『杉』や『桧』というポピュラーなものがありますが、今回は『杉』についてご紹介したいと思います。

杉無垢フローリング(上小材)の施工例
杉無垢フローリング(上小材)の施工例

杉材とは その特徴

木の床。杉無垢フローリング、当工務店では良く採用される床材になります。紀伊半島の山では戦後の植林の関係で杉や桧を良く見かけます。その辺りは以前訪れた広葉樹が良くみられる信州と大違いです。実は杉は日本の独自の固有種でもあります。そんな杉の無垢フローリング(床板)はその足触りの暖かさと、心地よい歩行感(柔らかさ)が特徴で私の好きな素材の一つです。

節によってコストが変わる!?

木材はその節の大きさなどで等級が定められていたます。節のある一等からごく小さい節のある上小節、最後のムジは節が見当たらないものです。コストも一等材が一番抑えられ、上小節、無地の順番に上がっていきます。節は木の生長の過程で枝が包み込まれたものです。節を少なくしようとすると、こまめに枝を落したりして手間を掛けた管理が必要となってきます。その為、一等材に比べて上小材やムジ材のもの方が手間が掛っている分コストが上がっているのです。

前述のごとく節は枝が木の生長過程で包み込まれたモノです。節のある杉無垢フローリングをみて、山ではどんな感じだったんだろうって考えると山と住まいが繋がった様に感じる事も出来るのではないでしょうか?木に枝があるのが当たり前の様に木に節があるもの当たり前なのかもしれません(笑)

節にも種類がある 生き節と死に節

その節にも生節、死節とがあります。生節はその名の通り生きたまま包み込まれたモノ、死節は枯れてから包み込まれたモノをさします。
死節はあとからポロッと抜け落ちる事がありますのでしっかりと補修をしておかないといけません。
右から3番目の節が補修されたものです↓

生き節と補修がされた死に節の画像
生き節と補修がされた死に節

一等材と上小節・ムジ材はどちらが良いのだろう?

一等材が良いか上小材やムジ材が良いかは、木そのものとしては変わりがないので、はっきり言って好みの世界です(笑)節をどのように感じられるかは個人差が大きいです。施工例を見せてもらったりしながら、ご自分の好みを再確認するもの大切な作業です。コストなども合わせて検討して頂けたらと考えてます。

検品が大切です!

また同じ一等材でも色目や節の入り方は様々です。そこで張る前の全数検品が大切になってきます。全ての床板を一枚ずつ品定めして使う場所を決めていきます。一等材といっても綺麗な材も結構入れてくれてます。綺麗な床板は良く見える場所に、本来の一等材らしく節のある材は納戸や押入、あまり見えない所に使っていきます。無垢フローリングの施工に慣れた工務店さんなどではこういった事も行ってもらえると思います。

適材適所。節のある木もきちんと使う事が山を大切にする、維持する事に重要な事だと考えてます。そうやって山の木に対してお金を使う事で山を育てたりする費用が捻出される訳ですから。

杉一等材床板の画像
杉材節のある一等材の床板

 

杉床材 上小・ムジ材の画像
床材 杉材の上小材とムジ材が混在したもの

しっかりとした乾燥を

杉材は乾燥の難しい木材です。その乾燥には無垢フローリングを作る製材所のノウハウが大切です。無垢フローリングをよく施工される工務店さんなどでは、そういったルートもお持ちだと思います。

乾燥について以前書いた記事は こちら

まとめ 向かない方もいらっしゃいます。

と言っても杉材は季節による収縮の大きな木材です。フローリングとフローリングがすいてきたりします。それがゆるせないって方には無垢杉フローリングは向かないですので、採用を見送られる事をお勧めします。どんなもんでも長所と短所があります。そしてそれに対しての感じ方は十人十色です。見て触って、ご自分の住まいのパートナー探しを楽しんで下さい。

大工さんがつくる階段 鉄 杉 桧 Jパネル なぐり加工

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。住宅工事のなかで階段の図面作成や現場での製作は難しい部類に入ります。平面と断面の両方で検討しながら、現場でも入念な確認が必要です。階段の踏み面(巾)や蹴上げ(段差の高さ)は安全か?などの専門知識も必要です。

階段の安全性の目安

住宅性能表示の中に『高齢者への配慮』という項目があります。これにつきましては、等級2~5までありまして、数字が大きい程、より配慮された建物となります。ちなみに長期優良住宅の認定を受ける場合は、等級が3以上必要になっていますが、戸建て住宅は対象外となってますので必ずしも満たす必要はないのです。しかし、わたしは階段を設計する上で、一つの指針としていつも満たす様にしています。

ちなみに、等級3の基準の一部は下記の通りになりますが、なかなかマニアックな内容です。

勾配  ・22/21以下

・550mm≦けあげ×2+踏面≦650mm

けあげ ・ ・ ・ 階段1段ごとの高さ

踏面  ・ ・ ・ 1段ごとの階段の踏板の幅

階段 建材メーカーの場合

階段の製作は大きく分けて建材メーカーにプレカット加工をしてもらうものと、現場で一から製作するものの2つに分かれます。素材感や仕上がり、そしてコストなどを照らし合わせて検討される事をお勧めします。建材メーカーのものも、無垢の集成材のものから突き板仕上げ、プリントシート仕上げのものまで様々で、コストも様々です。階段は日常的によく使うところなので、耐久性なども考慮されてはいかがでしょうか?

階段 現場製作の場合

鉄と杉でつくるオープン階段

現場製作の場合は木材を加工して製作していきます。側板といわれる部分を鉄で製作して、踏み板は木でなんてことも可能です。リビング階段などの場合に用いられる手法で、オープン階段と呼ばれています。この場合、階段の造り方はもちろんですが、床材をどうやって張るかがキモになったります。側板を鉄でつくるとサイズを小さくできるのですっきりとした印象を与えてくれます。

鉄と杉で作ったオープン階段の画像
鉄と杉で作ったオープン階段
桧材でつくるオープン階段

側板も木材でつくるとしっかりとした印象の階段となります。この辺りはお家の雰囲気に合わせてどちらが良いか検討を重ねます。こちらのお家は大正ロマンをテーマに考えられたお家で重厚な手仕事が残る階段となってます。踏み板の裏側も見えるので4周ぐるりと節のない材、この時はホントにきれいな桧がやってきてくれてドキドキしたのを覚えてます。

当時の現場リポートの記事はこちら

桧でつくったオープン階段
桧でつくったオープン階段 手仕事を感じられるデザインです
桧でつくったオープン階段 裏面も節がありません
桧でつくったオープン階段 裏面も節がありません
杉材 Jパネルでつくる階段

Jパネルとは杉を3層構造にしたパネル材で直交するように3層が出来上がっているので狂いが少ないとされています。断面が3層になっているのがおもしろくてそのまま見せて階段を製作します。もちろんきちんと乾燥した木材であれば無垢材でも製作は可能です。

以前製作した杉Jパネル階段の記事は こちら

杉材 Jパネル なぐり加工でつくる階段(現在製作中)

今回のお家は踊り場の部分にそのJパネルをなぐり加工したものを使っています。写真では分かり難いですが、光があたる雰囲気や、なぐり加工によって木目の波打つ紋様がきれいです。さらに足の感触もよくてお気に入りです。まだ完成していませんが、フライングでご紹介です(笑)

廻り階段部分 バリアフリー階段の場合は廻りの角度は30°と60°になります。
廻り階段部分 バリアフリー階段の場合は廻りの角度は30°と60°になります。
踊り場 窓の光が落ちて様々な表情をみせてくれます
踊り場 窓の光が落ちて様々な表情をみせてくれます

まとめ

階段の形や素材は様々。たくさんの選択肢があり、色んな事をする事が出来ます。ですが、自由である分いろいろな指針を参考にしてより安全で安心できるものを考え造る事と、暮らし方にあう素材を採用する事をお勧めします。

最後まで読んで頂いてありがとうござます。

山から木はやってくる きちんと育ててきちんと評価できる地元材 製材編

和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。今日はGWの中日、通常運転しております。(笑)

さて、続きモノにするつもりはなかったんですが、ノープランで書き進めるウチにそんな流れになってしまいましたので突き進みます(笑)前回の山長商店さんに伺った続きです。

前回の記事 山から木はやってくる きちんと育ててきちんと評価できる地元材 山編 架線集材みてきました

まず玉切された木は土場と呼ばれる所に集められて大まかにサイズにより仕分けられます。今回はこの土場でお昼を頂いたのですが、天候も良く心地よかったです。やはり外飯は良いですね~

土場 山で伐採された丸太は一旦ここに集められます。
土場 山で伐採された丸太は一旦ここに集められます。

その次は製材所へと運ばれると、まず皮が剥かれます。鉛筆削りのでっかいのを想像して下さい。グリグリ削られていきます!画像左に見えるのが皮をむかれた木材、そして右手に見えるのがむかれた皮です。この皮は大量に出るそうで乾燥機の燃料に使われうとの事。

皮をむかれる丸太
皮をむかれる丸太

その次に職人さんの目利きにより様々な用途のサイズに製材されていきます。それと同時にコンピューターによる自動選別も行っておられてレトロな工場に最新鋭機器ってアンバランスな感じがそそります

その後、乾燥機にかけられるのですがコイツが優れものなんです!その名も減圧型の乾燥機!! って言われてもピンときませんね。そこで簡単にご説明させて頂きますと高い山でインスタントラーメンを食べたらぬるいラーメンで美味しくないというお話を聞いた事がないでしょうか!?これは気圧が低い為、水の沸点が低くなり低い温度で水が沸騰してしまうからなのです。これと同じように乾燥機の中を減圧してから温度を上げる事により、より低い温度で木材が乾燥するという仕掛けなのです。どんなメリットがあるかといいますと、まず、木にかけるストレスが減らす事が出来るので木の色艶が保たれたまま乾燥する事が出来ます。また人工乾燥材で問題になる内部割れも緩和できるとの事。当工務店に山長商店さんから納材される木材もネットに見かけるような焦げた感じの木材や内部割れが入った木材にお会いした事がないのは、この減圧型の乾燥機のお陰なのですね!

減圧式乾燥機
減圧式乾燥機

このような工程で出来上がった木材は一本一本強さの基準であるヤング係数や含水率が測られて刻印されていきます。当工務店が山長商店さんの木材にお世話になっている理由のひとつが、この一本一本の木の性能をキチンと表示している所です。この木材を使う事によって、木造住宅でもよりキチンとした構造計算を行う事が出来るのです。

含水率とヤング係数を計測する機器
含水率とヤング係数を計測する機器

計測された数値はディスプレイに表示されます。少々見難いですが、上にE110 下にSD20 と読みとれます。計測した木はヤング係数が110以上 木材の乾燥具合を示す含水率が20%以下である事をしめしています。

含水率とヤング係数の計測結果
含水率とヤング係数の計測結果

今回は普段木材でお世話になっている山長商店さんのお話でした。綺麗で、強く、そして地元の木、使わない手はないですね!

最後までありがとうございました。