長期優良住宅認定申請のメリット・デメリット
和歌山県田辺市を中心に『木の家』の注文住宅の新築、リフォーム、リノベーションを行ってます、谷中幹工務店の谷中伸哉です。
先日、登録住宅性能評価機関に申請していた長期優良住宅の技術的審査の適合証が下りてきました!初めての申請で手こずるかなと思っていたのですが、丁寧かつ素早い対応で申請から1週間足らずで手もとにやって来てくれてホッとしてます。今回の申請は普段、瑕疵保険でお世話になってます『住宅あんしん保証』に依頼しました。瑕疵保険も『住宅あんしん保証』で行う場合、割引が1万円ありますので、『住宅あんしん保証』とお付き合いのある工務店さんにもお薦め出来ます。それでは長期優良住宅を申請するとどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

長期優良住宅の適合証
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは長期に渡り良好な状態で使用する為の措置がとられた建物をさします。認定申請を受けると主に税金面でのメリットが出てきます。
認定を受けるには、耐震性・省エネ性・劣化対策・維持管理のしやすさなど、決められた基準を満たす必要があります。耐震性は2025年(令和7年)4月の壁量基準の見直しにより、壁量計算・許容応力度計算のいずれでも耐震等級2以上が求められます。なお2022年(令和4年)10月の制度改正で省エネ性の基準が引き上げられ、それまでの断熱等性能等級4から断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上が必須となりました。この記事を書いた当時よりも、性能面のハードルは上がっています。断熱性能の考え方については温熱環境についてのページもあわせてご覧ください。

長期優良住宅の認定基準(新築戸建ての主な項目)
長期優良住宅のメリット
一般住宅と比べてどこがどう変わるのかを、先に一覧にまとめておきます。

一般住宅と長期優良住宅 優遇のちがい(2026年時点)
1.住宅ローン控除の最大控除額が引き上げられる
住宅ローン控除はいくつかの要件を満たすと、住宅ローン等の年末残高の合計額を基にして計算した金額を所得税から控除出来ると言うものです。(※以下は2026年8月時点の内容に更新しています)現在は年末残高の0.7%を13年間控除できる仕組みで、控除の対象になる借入の上限額が住宅の性能によって変わります。
2026年(令和8年)入居の新築の場合、省エネ基準適合住宅が3,500万円(子育て世帯等は4,500万円)であるのに対し、認定長期優良住宅は4,500万円(子育て世帯等は5,000万円)まで引き上げられます。ローン金額の多い方には大きなメリットと言えますが、そこまでローンを組んでいない方にはメリットにもデメリットにもなりません。
なお住宅ローン減税は令和8年度の税制改正で適用期間が5年延長され、2030年(令和12年)12月31日までの入居が対象となっています(出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要」)。
2.不動産取得税の控除額が増える
不動産取得税は不動産を取得した場合に一回のみ払わないといけない税金となります。これは登記の有る無し、有償か無償かなどは関係なくかかってきます。この税金にも控除措置がありまして、50㎡以上240㎡以下の建物ですと申請をするとその税額の控除が受ける事が出来ます。余談ですが、申請をしないと控除を受けられないので、お家を新築された方は忘れない様にして下さい!
和歌山県田辺市で新築した場合ですと、市役所の方が不動産取得税を算出する基になる課税標準額を決める為にやってきます。不動産取得税はその課税標準額に3%(住宅、土地の特例の軽減)が掛けられた金額となります。そこで登場するのが前述の控除!一般住宅ですと1200万円、長期優良住宅ですと1300万円の控除が受ける事ができます。課税標準額が1500万円の場合は下記の通りとなります。
(1500万円-1200万円)×3%=9万円
(1500万円-1300万円)×3%=6万円
一般的に課税標準額は請負工事費の7割が目安との事。そこから請負契約が1700万円以上になってくるとこのメリットを受ける事が出来ます。
3.登録免許税の税率が下がる
建物を建てると所有権保存登記という事を行います。これは法律的にその建物の所有者を証明する事となります。この時に払わないと行けないのが登録免許税です。これも課税標準額に対して0.15%かかっていたものが、0.1%に軽減されます。これまた課税標準額を1500万円で試算してみます。ちょっぴり得って感じです。
1500万円×0.15%=22,500円
1500万円×0.1%=15,000円
4.固定資産税の軽減期間が延長される
固定資産税は不動産を所有している方に毎年掛る税金です。以前詳しく書いたブログがあるのでこちらをどうぞ!
長期優良住宅の場合は一般住宅に比べて軽減期間が2年延長されて5年となります。これまた課税標準額を1500万円で試算してみるとこの様に↓床面積も控除対象の最大の120㎡の設定です。
2年延長される事で105,000円×2年間=210,000円控除額が増えました。3年毎に課税標準が見直されますので、これより控除額は下がると考えられますが、こちらが一番税金面ではメリットが出てきそうです。
一般住宅 1年目~3年目 1500万円×1.4%÷2= 105,000円
4年目~ 1500万円×1.4%= 210,000円
長期優良住宅 1年目~5年目 1500万円×1.4%÷2= 105,000円
この新築住宅の減額措置は令和8年度の税制改正で5年間延長され、2031年(令和13年)3月31日までに新築された住宅が対象となっています。認定長期優良住宅の不動産取得税・固定資産税の特例も同じく延長されました。(減額の対象になるのは床面積120㎡相当分までです)
5.住宅取得等資金の贈与税の非課税が増える
『住宅取得等資金の贈与税の非課税』とは
これは直系尊属(自分のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなど)から受ける贈与で家を建てる資金(金銭)にあてる場合は一定の金額が非課税になると言うものです。制度は延長が重ねられており、現在は2026年(令和8年)12月31日までの贈与が対象です。これによって税金がかからず、相続財産を減らす(相続人に移行)することが出来るのです。非課税の金額は下記の通りです。日時は契約の締結日になります。こちらも詳しくは以前書きましたブログがあります↓
非課税枠は下記の通りですが、省エネ等住宅の証明に長期優良住宅が該当してきます。贈与が多い方にはメリットが多くでそうです!
2026年(令和8年)12月31日までの贈与
省エネ等住宅1,000万円 それ以外500万円
ここでいう「省エネ等住宅」は、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上などの要件を満たす住宅を指します。長期優良住宅の認定基準はこれを満たしますので、そのまま該当してきます(出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」)。
6.フラット35 優遇金利が使える
【フラット35】の金利引下げは、現在は住宅の性能や家族構成などに応じてポイントが付く仕組みになっています。長期優良住宅は「【フラット35】維持保全型」に該当し、1ポイントにつき当初5年間、年0.25%の引下げが受けられます(ポイントは合計で年1.0%の引下げが上限)。変動金利の場合はこういったものがありませんが、フラット35でローンを検討の方には長期優良住宅の認定を受ける事はお薦めです。
7.地震保険の割引率が増える
地震保険に新築で加入する場合、築浅のものは10%の割り引きが多いようです。それが長期優良住宅の認定を受けるのとその耐震等級に応じて、耐震等級2なら30%、耐震等級3なら50%と建物の性能に応じて割引率が増えます。耐震等級の考え方についてはなぜ耐震等級3が必要なのか?耐震性の確かめ方と瓦葺きの建物の耐震性で詳しく書いています。
長期優良住宅のデメリット
1.申請に費用と期間が必要
長期優良住宅の認定を受ける為には申請が必要です。技術的審査期間や行政庁への手数料や、その申請に必要な書類や図面を作成する為の費用が必要となってきます。また申請は着工前に行わないといけないので、書類などを作成する期間も工程に見込まなければなりません。

長期優良住宅 認定申請の流れ
2.住宅のコストが上がるかも
普段から長期優良住宅の仕様の工務店さんなどでは追加の建築費用は掛りませんが、そうでない場合は長期優良住宅の仕様にしなければならないのでコストアップする事も考えられます。
まとめ
費用だけでみると資金計画によってメリットの大きさは変わってきそうですが、一度は建築を予定している工務店さんなどにご相談される事をお薦めします!和歌山県は比較的温暖な地域ですが、田辺市は海沿いの市街地から山間部まで気候の幅が大きく、省エネ基準の地域区分も合併前の旧市町村ごとに分かれています。断熱等性能等級5をどう無理なくクリアするかは、その土地の気候を分かっている作り手と一緒に考えるのが近道です。また、将来的にお家を売却する事があった場合もその査定額が長期優良住宅の方が上がる事が考えられます。良質な住宅のストックを目指す国の方針のあらわれの一つがこの『長期優良住宅』となっているからです。
和歌山県田辺市の工務店・谷中幹工務店では、長期優良住宅の申請から設計・施工までを一貫してお手伝いしています。認定を取るかどうかも含めて、資金計画とあわせてご相談ください。






