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軒天の仕上げ方 木(杉羽目板 本実加工)とケイカル板

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杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天
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和歌山県田辺市の工務店、谷中幹工務店です。

外観の印象を決めるもの 佇まいや外壁材や屋根材と、いくつかありますが

意外と目に付く軒天も大切な要素のひとつです。

今回のテーマは『軒天』です!軒下ともいいます。

あっあと植栽もすごく大事(笑)

杉板を用いた軒天。落葉樹が芽吹いてきました

杉板を用いた軒天。落葉樹が芽吹いてきました

軒天(のきてん)とは

軒裏(のきうら)とも呼ばれますが、他にも色んな呼ばれ方がある箇所です。

地上から屋根の裏側を見上げた部分をさしまして、タルキを見せる仕上げとタルキを隠す仕上げがあります。

仕上げ方や使う材料で印象が随分と変わってくるのできちんとした検討が大切です。あと、コストも変わってきます。(汗)

上の画像は杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天。水平ラインを意識した屋根となっています。

仕上げ方 タルキを見せるか見せないか

軒桁を用いた本格的な和風のテイストです

軒桁を用いた本格的な和風のテイストです

軒天に木を使う場合、前述の如くタルキを見せる場合と見せない場合があります。タルキをいうのは、屋根をささえる部材となります。

先程の画像のお家はタルキを隠した仕上げ、上と下の画像はタルキを見せる仕上げ方ですが、

与える印象は随分と変わってきまして、タルキを見せる方が和風の色合いが強くなってきます。

こちらは腕木と出桁を使っているので、より和風を意識した佇まいです。

また、タルキを見せる仕上げ方の場合は屋根の通気のとり方に工夫が必要となってきます。

通気は見えないところの工夫が味噌となる要素です。

仕上げ材の種類 ケイカル板と木

隠す場合も今回の画像のように木を使用する場合と『けいさんカルシウム板』通称ケイカル板を使用する場合とがあります。

準防火や防火の指定を受けていると木は使えないですが、そんな時はケイカル板の出番となります。

(補足 準防火地域でも木を張れるような認定もあります。その場合はいつくかルールがありますが

化粧板を厚み30㎜にするなどがあり、コストアップしてしまうのが懸念です。)

ちなみに田辺市やその近郊市町村の場合は木は使用することができます。

では、ケイカル板にもどんなメリット、デメリットがあるでしょう?

ケイカル板の特徴

ケイカル板のメリットは防火性が高い事とコストパフォーマンスに優れている所です。

しかし、木の美しさも捨てがたいし、悩ましいところです(笑)

下の画像は白いそとん壁に白く塗装したケイカル板の外観です。すっきりとした好きな組み合わせの一つです。

ケイカル板は面ですので面としてあっさり仕上げる事を意識しています。

そとん壁についてはリンクをご覧ください。詳しく書いた記事となります。

そとん壁 メリット デメリット 風合と質感のある手作りの素材を職人の手仕事で仕上げる

軒天にケイカル板を張ったお家 スッキリとした印象です

軒天にケイカル板を張ったお家 スッキリとした印象です

施工事例 タタミリビングの家

タタミリビングの家

タルキを隠して木と使う場合 通称 羽目板とは

天井(今回の場合は軒天)や壁の板張りに使われる板のことの総称です。

板と板の接合方法には、本実(ほんざね)雇い実(やといざね)相しゃくり などがあります。

先程のからのタルキの見えない画像のお家は板を留めつける釘が見えない本実(ほんざね)加工を

施した板を使ってます。床板もこれと同じような加工が施されていますので、床板も釘が見えないでしょう?

本実加工は 凸凹してます。

画像でご説明すると、本実加工とは下の画像の様に、板をくっつける時に板同士がかみ合う様に

板のそば(横の部分)に凸凹の加工がしてあるものです。さらに下の画像はくっつけたところ

このようにかみ合わせながら工事を進められていきます。

本実加工 凸凹をほどこした羽目板

本実加工 凸凹をほどこした羽目板

 

本実加工 凸凹がくっつくいた状態

本実加工 凸凹がくっつくいた状態

本実加工を行う時は凸の部分に釘を留めつけてから、凹の部分を差し込んでいくので

留めつけた釘が見えなくなるのが特徴です。羽目板だけのすっきりとした雰囲気となります。

下の画像は凸に釘を打っているとことですが、この部分に凹がかみ合っていくので釘は隠れてしまいます。

凸の部分に施工された釘の画像

凸の部分に施工された釘

木の等級の確認しよう

木は節の大きさで価格が変わってくる材料です。節がある方が安く、節がなかったり、あっても小さい場合は

コストがかかります。画像の軒天化粧板は杉上小節材、小さい節が入ってる等級になります。

がしかし、実際はほとんど無地(節がないもの)が含まれる事もあったりします(笑)

ですので納品した木を一度梱包をといて検品し、節のあるもの、節がないもの、色の具合などを

仕分けして、いくつかのクラスに分ける作業を行います。

その中でとくに目の付く場所の軒天のにはきれいなものを使っていきます。

無垢の木を使う場合はこのひと手間が大切となります。床板などでも同じ様な作業をすることをお勧めします。

ちらっとみえるのが小さい節。上子節という等級です。

木の塗装について

木を使う場合は塗装をどうするかも大切です。タルキを見せるやり方では塗装をしない事が多いです。

垂木を見せない場合は逆に塗装をする事が多くなってきます。

塗装をするかどうか?節があってもいいかどうか?それとコストバランスを考えながら

外観のイメージを考えながら検討を重ねていきます。

あえて塗装をしなくて、木がシルバーグレーに変わっていくようすを

年月をかけて眺めるのも面白いかもしれませんね。

杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天

杉上小材羽目板に塗装をほどこした軒天

施工例 緑をめでる家

緑をめでる家

まとめ

一言に軒天といっても色々な仕上げ方があります。

大切な事はまずは屋根の通気をきちんと確保したうえで

どのような仕上げ方が良いか検討してはいかがでしょう?

軒天は意外と目に入るのでご自身のお好みをきちんと反映させたものをお薦めします。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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